《0480》  福島の学校の先生と飲む [未分類]

ああ、あの日から5カ月が経過しました。
まだ5カ月? もう5カ月?
5カ月目は、お盆の週でした。

お盆には死者の霊が帰って来ます。
しかし死者かどうかすら分からないご家族の
苦悩を思えば、胸が痛みます。

あの日以来、震災のことばかり書いています。
医療者にこれほど大きな出来事はありません。
私がいくら頑張っても救える命は、ごく僅か。

震災で失われた命の、1万分の1。
自然の前では、医療者が無力に感じます。
しかしそれでもやらねばならぬ事がある。

阪神での教訓を、東北に活かしたい。
しかし、それも杞憂かな?と思える方と
昨夜は遅くまで飲んでいました。

福島県の高校の先生が生徒を引率して神戸に来られています。
その高校の先生とは、ふとしたご縁が知り合いました。
大量の「紙」を送った先生なのです。

南相馬市の学校が、相馬市に疎開しているすです。
ひとつの学校に、3つもの学校が同居しています。
すると教材に使うコピー用紙が足りなくなります。

2カ月ちょっと前、生徒に配る紙が無いという、
紙のSOSを訴えるメールが配信されました。
さっそく、紙を調達しようと、動きました。

そう決めたら、偶然にも製紙会社の社長さんが
患者さんとして私の目の前に現れました。
1年に1回も来られないのに、不思議でした。

事情を話すと、費用を半分持つと言って頂きました。
「ちょうど何かできないか考えていたところなんだ」
嬉しかった。

「紙」のご縁で知り合った先生を西宮の「つどい場」で
囲みながら、現在の福島の様子などを伺いました。
彼の話を聞いて大丈夫!復興できると確信しました。

原発周囲の子供と妊婦さんの問題は、残ります。
ここは早急に思い切った手を打つ必要があります。
学校単位と疎開と被爆量のチェックが急がれます。

今日は、西宮の図書館で子供たちに震災の話をします。
子供に震災を伝えることは難しい。
白紙状態で臨みます。

お盆に引き寄せられるように旅立つ人に寄り添っています。
朝から晩まで往診依頼が、ひっきりなしです。
時間外になっても、外来患者さんも来られます。

熱中症、夏バテ、肺炎、末期がん・・・
当院はお盆も休み無し。
職員は頑張って働いています。

今週末は久々に講演がありません。
お墓参りで、父親に会ってきます。
先祖と東北の霊に、お祈りします。