《0483》  侮らないけど、怖がりすぎない [未分類]

児玉教授の発言と、放射線ホルミシス仮説は矛盾しません。
児玉教授は、被ばくの実態をちゃんと調べて公表すること、
子供の安全を政府の責任で確保することを述べられました。

南相馬市の小中学生を含む市民900人の内部被ばく検査が
実施され、ちょうど昨日、発表されましたので紹介します。
結論から言えば、幸いなことに、「ほぼ問題無し」でした。

放射性セシウムが今後50年間積算で1mSvを超えた人が
1人いただけで、ほとんどの人が、0.1mSv以下でした。
1年間で1mSv以下という基準の中での、50年間での1mSv。

全員を調査したわけではありませんが、緊急に治療を必要
とする被ばくは認められなかったとの報道に喜んでいます。
今後、南相馬以外の町でも被ばく検診が実施されるでしょう。

子供に特化した被ばく検診も今後実施されるでしょう。
子供の被ばく不安の解消は、至急の課題です。
不明な点が多い現在では「疎開」も止むを得ないでしょう。

書き込んで頂いた俳優の山本太郎さんの活動は、よく存じています。
紹介頂いた生放送で「サテライト疎開」を呼びかけた日に会いました。
次の日にも彼に会いました。どちらも偶然でした。

最近も個人的にメールしています。
彼の、福島の子供を思う気持ちを強く支援しています。
政府は自主的な「サテライト疎開」も支援すべきです。

これは、私がずっと主張している「移動という尊厳」にも
つながる話です。
疎開先と故郷の移動を支援することだけでも意味があるはず。

とりあえず疎開しても、自由に、簡単に戻れることが
ストレスの軽減につながります。
コミュニテイの崩壊を防げます。

大人には通勤という「移動」の支援を、
子供には通学という「移動」の支援を!
しかし永田町では誰も相手をしてくれません。(悲)

低線量被ばくの子供への影響は、「不明」です。
だから侮ることなく正しく恐れるとしか言えないのでは。
怖がりすぎると、ストレスの害のほうが大きくなります。

今回の南相馬市の結果は、とりあえず朗報だと思います。
しかし、できれば福島県全員のデータを集積し長期的に
フォローしてすべてどんどん公表すべきです。

情報を隠しているという不信感が不安を煽っています。
不安が不安を呼び、パニックになっている人もいます。
情報公開こそが、不安軽減への第一歩です。

市立総合病院の金沢院長は、受診した住民一人一人に
直接、丁寧に説明されたそうです。
東大をはじめ検診に協力された医療者に敬意を表します。

このブログは、放射線医学には素人の町医者の日記ですから、
気軽に読み流して頂ければ幸いです。
さまざまな専門家のご意見があるのは知っているつもりです。

不確実性の時代を、我々は生きています。
それは福島の放射線被ばくに限らず我々の日常も同じです。
一町医者がどう考えているのか、恥を忍んで書いています。