《0487》  大人は5mSv、子供は別 [未分類]

日本慢性期医療協会の理事会のため上京中です。
新幹線で、久々の読書、といっても月刊誌ですが、
を楽しんでいます。

いま、被災地に必要な医療と介護をどうするのか?
「被災地を地域包括ケアのモデルに」というニュースも。
これは私も提案してきたことです。

病院や施設だけで、地域の医療を支えるのは難しい。
「地域」という面で、患者さんや介護者を支えて行く。
看護師、ヘルパー、理学療法士、歯科医、薬剤師で。

ところで、某雑誌で
6月某日の玄侑宗久さんの日記を読んで驚きました。
玄侑さんが立谷秀清・相馬市長さんを訪ねています。
何度も入ったあの市長室で2時間も懇談しています。

2人は、意気投合したようです。
2人は、放射能と共に生きる決意をされています。
さらに、以下のように述べられています。

「年間5mSvでしょうね。1mSvはナンセンス。
誰でも3mSvくらいは受けています。」
「県民全体の測定なんて私は拒否します」

玄侑さんは、牛の被ばくの方を気にしています。
牛は殺すのに人間は・・・
と、矛盾を投げかけています。

立谷さんは内科医。
玄侑さんは復興構想会議の委員。
この2人がこのように言っておられるのです。

何かと「専門家の意見」といいますが、地震予知と同じで
専門家が正しいとは限りません。。
市民が情報を集めて自分の頭で考えてもいいはず。

フクシマを代表するお二人がそのように述べられているのです。
2人の言葉に素直に耳を傾けることから始めてはどうでしょうか。
どのような心構えで放射能問題を見ているかを知っておくべき。

玄侑さんは、記録映画「無常素描」でお世話になり、
先月世に出た本「共震ドクター」の帯を飾って頂きました。
立谷さんには、真のリーダーシップ論を教えて頂きました。

お二人とも大変ご縁がある人です。
5月4、5日あたりのこのブログを読み返してください。
最も尊敬しているお二人が意気投合して本当に嬉しい。

公の発言には、それなりの覚悟もあることでしょう。
しかし人間の叡智とはこのような議論の中から
醸成されるてくるものだと思います。

新聞には、原発作業員の現在が書かれていました。
自分はモルモット扱いされ、結婚もできない、と。
彼らは実害と風評被害の両方で精神も傷ついています。

一方昨日、俳優の山本太郎氏が、衆議院議員会館で
フクシマの子供たちにもっと本気になるよう訴えました。
安全と言うための根拠がないと誰も安心できません。

山本太郎さんも体を張って頑張っています。
すごい行動力。
彼を見習わなくては。

放射線ホルミシスはある程度離れた場所の大人の話。
原発作業員は、急性被ばくと、累積被ばく量の問題。
子供たちは未知の世界での安全確保と本気度の問題。

フクシマのリーダーや大人や子供の言っていることに
全国民がまずしっかり耳を澄まして理解することです。
フクシマの人の心に寄り添うことから事が始まります。