《0492》 スマートシテイ構想と医療・介護 [未分類]

福島原発周辺では、居住が長期間禁止されるとともに
その地域の土地を借りあげる方向で、検討されています。
3km圏内と3km圏外でも放射線量が高い地域が対象です。

故郷に戻る日を楽しみに避難先で生活している人たちの
お気持ちを察すると、言葉がありません。
故郷に帰れない無念さは、どれほどのものか。

その他の地域でも詳細な汚染マップの作成が急がれます。

被ばく調査結果と合わせて公表することを急いで欲しい。
ちゅうぶらりんが、人間、最も辛い。もう半年近くなります。
真実の調査と公表、そして方針決定をお願いしたいもの。

そんな福島県ですが、一歩先を踏み出した町があります。
相馬市は町をあげての太陽光発電に取り組み始めました。
アメリカの企業と共同で、スマートシテイを目指しています。

スマートシテイ!?
私も昨日、はじめて聞いた言葉です。
我が町の電気は、我が町で造り、管理もする。

地域完結型の電気システムです。
足りなければ、みんなで節電する。
遠くの発電所ではなく、我が町の自然エネルギーを主体とする。

電気やエネルギーに限りません。
水、交通、廃棄物など生活基盤全体を地域単位とするシステム。
実は震災前から、欧米や中国ですでに試験的に始まっています。

夢物語に聞こえるかもしれません。
しかし、自然エネルギーへのシフトは地域単位がやり易い。
スマートシテイのほうが電力ショートのリスクが少ないそうです。

放射線量調査や除染作業や長屋型の仮設住宅建設と並行して
スマートシテイに着手している相馬市は、凄い町だと思います。
被ばく政策とエネルギー対策を、同時並行で行っているのです。

私は、脱原発派。
時間がかかっても、自然エネルギーにシフトすることを願う。
だから、スマートシテイ構想にとても興味があります。

この構想を聞いたとき、医療・介護にも通じると思いました。
地域完結型の医療・介護です。
自宅も施設も医療資源も、その地域で完結できるイメージ。

一方、少子高齢化を乗り切るために、「地域包括ケア」
という概念が提唱されています。
最近の「社会保障・税一体改革」の目玉でもあります。

歳をとっても、障害があっても、独居になっても、
住み慣れた地域で暮らしたいのは多くの人の願い。
それを可能にするのが、「地域包括ケア」です。

既に私のいる尼崎市でも実践されつつあります。
しかしまだ多くの市民の方はご存知ありません。
今後、医療・介護はすべてその方向に進みます。

既に、先進的なスマートシテイを模索し始めた相馬市。
特に脱原発のメッセージは出ていませんが、この構想
こそが、脱原発を先取りした試みだと理解しています。

エネルギーのみなならず医療・介護も含んだ
スマートシテイ構想には、夢があります。
3.11はこの構想を加速させることでしょう。

エネルギーシフトの難しい議論は、私には分かりません。
しかし、福島県の一自治体がすでに、そのような方向に
舵を取っているという事実に、注目すべきだと思います。