《0496》  循環するセシウム [未分類]

原発事故で外部に放出された放射性セシウム137の
2割が国内の陸地に降下したと発表されました。
ということは残りの8割は海に降り落ちたようです。

福島原発が海岸線にあったことと、風向きのおかげで
大部分が海に落ちたのです。
2割が落ちて飯舘村などのホットスポットができました。

むろん海に落ちたセシウムの海の生物、魚貝類への
影響が懸念されますので厳重な監視が求められます。
しかし海には希釈効果があると思います。

太平洋で薄まることで影響は少なくなると思います。
陸地は大量に放出された放射線の5分の1で済んだ。
私は、不幸中の幸いだったと思いました。

さて陸地では雲や雨を介して様々な場所にばら撒かれました。
現在、周辺地域に降り積もっているセシウムが
雨で汚泥にもぐり、一部はやがて下水となり集められます。

現在、下水処理場で濃縮されたセシウム灰の
行き先が議論されています。
現地で処理するのか、遠くのどこかに集めるのか。

福島では、まず土壌のセシウムが問題です。
津波地区は、がれき中のセシウムが問題。
また東日本では、下水処理でのセシウム灰が問題。

セシウム土を深く埋めるにせよ、埋めかたが問題。
ゴミ焼却から出るセシウムをどう扱うのかも課題。
また、一般ゴミと放射性ゴミをどう区別するのか。

自然界と人間界を、循環するセシウムを、
どこでどう捕えて、どう処理していくのか。
今後は、循環の各フェーズでの「各論」になります。

一定基準以上の汚染がれきは国が処理して、
一定基準以下は、自治体で処理することが
昨日の法律で決まりました。

一方、2年間で被ばく線量を半減させ、子供は
6割を目標にすると除染の基本方針が示されました。
たったそれだけですが、少し安心しました。

牛や魚の出荷も始まりました。
様々な課題はありますが、
明るい見通しも増えてきました。

今回の事故は、人災です。
総理が変わっても、セシウムの循環は待ったなし。
誰が総理になっても、最初に急いで取り組んで欲しい。

低線量被ばくの健康障害は、ブラックボックスですが
不確実性の最悪を想定したきめ細かい行政が必要です。
国民の「安心」が、「健康」につながると思います。