《0502》  福島の子供たちの苦悩 [未分類]

昨日から学校が始まりました。
福島の小中学生の今後が心配です。
警戒区域の小中学生は周辺都市に避難しています。

富岡町の小中学生の一部は三春町に移転しています。
三春町内に富岡町立の学校が出来てそこに通います。
しかし昨日、登校したのは、たった4%でした。

1000余人いた子供のう、登校したのは60人余。
大半の子供たちは、バラバラに、転校したのです。
子供たちは当然、仲間たちと別れたくないのですが。

親の仕事の関係で転校せざるを得なかったのです。
子供の学校と親の仕事を切り離して考えることは
現実的にはできません。

ここに2つの考え方があります。
移転しても、富岡町のアイデンテイテイを保つ。
一方、単純に移転先に、転校する。

海外で働く日本人の子弟の教育に置き換えてみます。
現地の学校に編入するか現地の日本人学校に通うのか。
郷土愛やアイデンテイテイを保つ気持ちは尊いもの。

子供たちの教育は、極めて重要です。
福島の子供たちが、極めて高いストレス状態にあります。
放射能ストレスと、転校・移転ストレス。

各自が線量計を持ちながらの学校生活。
除染作業と隣合わせの毎日。
いつかこの辛い体験をプラスに活かして欲しい。

いずれにせよ子供は親の仕事と切り離すことができません。
教育、親の仕事、住居、の3位一体で考えないといけない。
さらにアイデンテイテイも十分に考慮しなくてはいけない。

これは、被災自治体にできるのでしょうか?
できるわけがありません。
被災自治体の職員、教員もとても辛い境遇です。

では福島県が対応できるのでしょうか。
県単位でも、十分な対応は難しいと思う。
県外に引っ越した家庭が沢山あるからです。

補償金の問題もあります。
ようやく具体的な金額が出てきましたが、
自主避難者は対象外だなんて、論外です!

結局、国単位でないと考えることしかできません。
新総理は「最初に被災地対策に全力投入する」と、
1週間前、私の目の前でも約束しました。

3位一体とは、行政の垣根を越えて連携すること。
教育、就労、住居の監督官庁の協働・連携です。
これは言うは易し、行うは難し。

日本の行政システムは縦割り・硬直化しています。
縦割り弊害は、すべての「公」に共通する課題。
大規模災害は常に「公」の限界を炙り出します。

しかし子供たちは、日本の宝。
子供を守るために「公」の限界を乗り越えて欲しい。
新政権に、強く、強く願います。

私は、毎日、平和に暮らしています。
しかし、東北には、何の罪も無いのに
路頭に迷うひとたちが沢山います。

彼らの声は決して表に出ません。
しかしいつか、歪んだ形で表に出ます。
そうして表に出た時には、もう遅いのです。

メデイアにはもっと世論を喚起して欲しい。
国家運営は、複眼的思考で行うしかない。
内政がこれだけ疎かだと外交にも大きく影響します。

国民の健康は、まず被災地のひとたちが
「安心」することからだと思います。
被災地の「安心」を、早く聞きたい。

PS)
防災の日の昨日、各地で防災訓練が実施されました。
さっそくではないですが大型台風が近づいています。
この週末は、みなさん十分に「防災」してください。