《0504》  「自主避難」って呼ばないで! [未分類]

突然、ある女性から電話がかかってきました。
「福島の人のために一緒に怒りませんか?」と。
反射的に「是非とも!」と言ってしまいました。

放射能への不安から「自主避難」している人のこと。
国が定めた避難区域には賠償金が検討されています。
しかし30km圏外の人には何の補償もありません。

「自主避難」という言葉を、私も使ってきました。
しかし、誰も好んで避難したわけではありません。
子供たちの健康を気使って避難するのは自然な事。

だから「自主避難」という言葉は正しくありません。
誰か他の言葉をご存じでしたら教えて頂きたいもの。
以下とりあえず「自主避難」という言葉を使います。

「自主避難者」の多くは二重生活を余儀なくされる。
避難先と自宅を往復する移動費用も、自己負担です。
仕事と家庭と子供の学校を両立させるのは至難の業。

政府からの賠償金も義援金も、対象外なのです。
被ばく不安ストレス、避難ストレス、経済的ストレス。
この3重苦を、他人事と放置して、いいのでしょうか。

医学的には、このような先の見えない慢性ストレスが
一番怖いのです。
血圧や脈拍の増加、心臓・脳の血管障害が懸念されます。

特にこの秋以降の血圧上昇がとても心配です。
食事や睡眠も乱れていることでしょう。
早急に、強力な対策を講じなくてはなりません。

30km圏外の避難者への生活補償。
すべての風評被害への補償。
これらは最優先課題。

原発で直接亡くなった人は、少ないかもしれませんが、
間接的に命を落とす人、命を縮める人が沢山いるはず。
生きながら苦しんでいる人に、もっと光を当てるべき。

「30km圏外の福島の避難者」のために怒ろう!
一緒に祈りながら、怒ろう!
彼らは「自主避難って呼ばないで!」と思っているはず。

昨日は、台風にも関わらず忙しい外来と在宅でした。
低気圧のせいでしょうか。
転倒して額を打った患者さんが3人もおられました。

阪大2内の会合、勉強会2つを終えて終電で上京。
朝一番からの尊厳死協会の会議に備えています。
みなさんは、台風は大丈夫でしたか?

新政権の支持率が60%台とのこと。
今度こそ期待を裏切らないで欲しい。
9月はとてもとても大事な9月です。