《0505》  ヘドロとして巻き上げられたヒ素 [未分類]

今回の台風で、死者19名、行方不明者59名
という報道を見て無念でなりません。
防災の難しさをあらためて感じます。

今日は、大津波で陸に打ち上げられた
海底のヒ素の話をさせていただきます。
大津波は大量のヘドロを運んできました。

東北沿岸はかつて鉱山が多くありました。
精錬時に、ヒ素や重金属が出ていました。
今回の津波で海底のヒ素が岸に運ばれた。

ヒ素が溶けた水を飲むと皮膚障害が生じます。
肝臓や腎臓の機能を低下させ健康障害を起こす。
稲の生育にも影響を与える可能性があります。

今回基準値の最大25倍のヒ素を検出したのは
宮城県気仙沼市の大谷鉱山の周辺です。
1976年まで採掘していた鉱山のヒ素が流出。

私が企画として関わった東日本大震災の記録映画
「無常素描」の中で一人の老人が語るワンシーン。
その老人が涙ながらに訴えていたのがこのヒ素です。

彼は、地域の土壌がヒ素で汚染されることを
4月の段階で強く心配していました。
それが6~7月の東北大学の調査で現実のものに。

たとえば、いわき市のがれきの内訳は
コンクリートが2万トン
その他が20万トン
ヘドロが、200万トン、と聞きました。

ヘドロ問題は、想像以上に深刻です。
がれきの10倍もの量のヘドロが打ち上げられた。
田畑の塩害対策も、まずはヘドロの処理からです。

一旦、陸に上がったヘドロは産業廃棄物扱いになり
勝手に海に戻してはいけないという規則だそうです。
法律まで縦割りになっているので問題は厄介です。

放射能汚染、がれきの処理、冠水地区の行方、
以外にこのような大量のヘドロの処理があります。
特に、津波で巻き上げられたヒ素の処理は難問です。

あの老人も嘆いておられたように、地元住民にとっては
ヒ素のような健康障害物質の処理は切実な課題です。
これも国の力がないと、とてもできないと思います。

野田総理は、「見捨てない」と言いました。
「国家という自賠責保険」を見せて欲しい。
どじょうと聞いてヘドロの話を書きました。

PS)
東京は関西とは違って、照明が暗いです。
電車の発券機も半分しか動いていません。
しかし、仕方が無いと思いました。

4時間の会議を終えて渋谷に出ました。
ハチ公前は30年前と同じ光景でした。
若者たちは、なんだかんだ言って元気、です。

被災地にボランテイアに行った若者と話し込む。
ショックでうつ病になった学生が出て
ボランテイア禁止令が出た大学もあったそうな。

何度も犬や猫の保護のボランテイアに行った若者。
派手な見かけによらず、地味に頑張っていました。
あらためて若い人はいいな、と素直に思いました。