《0506》  被災地の医療・介護病床 [未分類]

今回の台風の映像を見て驚きました。
まるで津波のように川が氾濫していました。
人間の想像を遥かに超えた自然の悪戯。

また、自衛隊が頑張って救助されました。
それが任務とはいえ本当に御苦労さまです。
今後の防災には「想像力」が必要だと感じました。

亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
さらに現在避難されている方への援助も必要。
自然災害へは、常に備えるしかありませんね。

さて、被災3県の医療・介護状況についてです。
被災3県で病床数が約2000床も減ったそうです。
また、福島県では医師の流出が止まりません。

病床を閉鎖(病床ゼロ)にしたのは13病院。
病床を閉鎖し、外来のみに切り替えています。
たとえば震災前に206床あった石巻市立病院。

ここの医師数は震災前の26人が8人に減少。
この10月からは、さらに6人になります。
被災3県は医療過疎に拍車がかかっています。

では、介護現場はどうでしょうか。
病床が減った分、入院できない患者さんの一部が
介護施設に流れて、職員らは大忙しです。

定員をはるかに超える入所者のお世話するのは大変。
認知症患者さんはたった一人でも手間がかかります。
介護職員の疲労はピークに達しています。

私の知りあいの福島県の介護職員は病に倒れました。
お若い方ですが、現在、入院加療中です。
責任感が強く、頑張りすぎたのでしょう。

被災3県の医療・介護事情は、悪化の一途です。
むろん、医療・介護は町とともにありますから、
復興の絵柄が決まらない限り展望は描きにくい。

そんな中、石巻市で在宅専門クリニックを新規開業
した医師がいるとの知らせが飛び込んできました。
こんな志を持った医師が増えることを願っています。

もちろん残った開業医や病院も頑張っています。
病床数、介護ベッド数が不足する分をあらたに
結成された在宅医療チームで対応されています。

昨年末、私は在宅医療に関する本を5冊出版しました。
「在宅医療が日本の医療を変える」と書きました。
奇しくも東北の地で、そのとうりになっています。

ここでの在宅医療は、苦肉の策かもしれません。
しかし人出が揃い連携できれば悪いものではない。
東北の現在は、日本の医療の未来を暗示しています。

市場原理だけでは、医療・介護は成立し得ません。
被災3県には、医療・介護に「仕掛け」が必要です。
被災地の診療報酬を上げるちう案が検討されています。

これはいいことだと思います。
しかし、町の復興が伴わないといけません。
復興とは、人が集まり、いろんな職場ができること。

職場が無い中での医療・介護は姥捨て山的になってくる。
活気ある町づくりと共に、医療・介護はあるのでしょう。
医療・介護者が集まる「仕組み」を皆で考える必要がある。

この冬が心配です。
この冬を越えられないひとが出てくるでしょう。
とりあえず医療・介護への政治介入が急務だと思います。