《0510》  8万人の県外移動者 [未分類]

被災3県から住民票を移した人は8万人余。
その半数にあたる4万人が関東に転出した。
宮城県石巻市雄勝地区は人口が7割減った。

沿岸部には、家も無ければ、街も仕事も無い。
そこに住んでいいのかさえよく分かりません。
国の復興計画が定まらないと動きようが無い。

再三繰り返しますが高台移転に拘らなくていい。
更地になった平地の利用は柔軟に考えて欲しい。
地域のひとの意見を最大限尊重して欲しいもの。

神戸・長田のような人がいない復興ビルは要らない。
震災前に戻すことを基本にしても、いいと思います。
阪神の経験では復興会議に時間がかかり過ぎました。

5年も10年も会議をやっていたら、戻れなくなる。
阪神では16年経った現在でも、土地はあるが
空き地のままで遠くで暮らす人が沢山おられます。

辛い思い出の地には、近づきたくないという人も多い。
今後、様々な思惑が交錯するでしょうが、一番望みたい
のは、会議のストレスを可能な限り軽減することです。

長い会議が延々と続き、そのストレスで倒れたり、
亡くなった人を見てきました。
どうかそんな事だけは無いことを祈ります。

住宅に関しては、永住型長屋の建築も一案。
相馬式12人長屋や、尼崎式16人長屋がお勧め。
いずれも中心に「つどい場」があるのが特徴です。

払い下げを前提とした復興住宅も現実的な案です。
とにかく効率的でなくてもいいから
コミュニテイを重視した街にして欲しい。

一方、福島県は複雑です。
子供たちを考えると県外疎開は、いいこと。
許されるならば、行き来できる移動が理想。

大臣の不用意な発言が非難されていますが当然。
私は福島県の肩を持ちます。
とりあえず、大人がこの地を守ることから始まる。

そう自信を持って言えるのは、相馬野馬追を見たから。
絶対に福島は復興できます。
こうした強い信念を持ち、暫くは耐えることでしょうか。

福岡県で予定されていた福島県の物産展が中止されました。
京都・五山の送り火のマキと同じ結果になり大変残念です。
風評被害というより、悪質な妄想だと思います。

福島の農作物は、きちんと放射能検査を通っています。
堂々と出荷し、みんなで美味しく食べましょう。
少なくとも50歳以上は喜んで食べましょう。

明日で3.11から丁度、6カ月目。
私が想像した6カ月目のとうりの姿でした。
阪神の経験から、予想したとうりの経過でした。

見えているのに助けられない。

国は常に後手後手です。
頼れるのは民間の力。
しかし今回は範囲と規模が甚大すぎた。

正直、悔しいです。
私の頭には、もし、立谷秀清・相馬市長が
総理大臣だったら、という思いがあります。

昨日、立谷氏は神戸市に防災の講演に来られていました。
トンボ返りのた、め残念ながらお会いできませんでした。
何故、彼を高く評価するのか。

立谷市長は政治家として出来ることを全てやりました。
現在進行形で、極めて精力的に動いておられます。
時が来たら、立谷市長のこの6カ月間を検証してほしい。

いろんなものを見て、いろんな方の話を聞いて来ました。
その中で、立谷市長の先見性・決断力・実行力はピカ一。
その政策には、医者ならではの視点も沢山ありました。

日本中の医師は、是非、立谷医師の足跡を見つめて欲しい。
立谷市長の行動は、常に住民視点でした。
私のような町医者に例えるなら、患者視点でした。

そんな首長さんがいる福島は、必ず復興するでしょう。
たとえ一時的に疎開しても、必ず故郷に戻って来るはず。
8万人がいつか戻れる街作りを、心から祈っています。