《0511》  3重の意味での「9.11」 [未分類]

今日で3.11から、6カ月目を迎えます。
この半年は、一体何だったんでしょうか?
悪夢の半年後に、台風による山津波が起きた。

3.11に、東日本を襲った海津波と原発事故。
9.11に、西日本を襲った山津波と土砂ダム。
どちらも現在進行形です。

さらに、9.11と言えばNYの同時多発テロ。
10年経ってもまだ遺体の身元確認作業が続き
憎しみの連鎖は終わるどころか複雑化している。

3重の意味での9.11を、どう考えたらいいのか。

私は、時代が何か大きく変わりつつあると感じます。
「絆」や「ボランテイア」という言葉だけでは無い。
なにかが大きく動いているような気がしてならない。

玄侑宗久さんは、「無常」という言葉で表現されました。
立谷秀清さんは、故郷を見捨てない選択をされました。
私は、お2人の知恵を「共震ドクター」に書きました。

天災と人災。

見えてきたものは、
地域、コミュニテイ、共助、絆、そして我慢。
残念ながらそこに、国家戦略はありませんでした。

世界に目を向けると、自然災害よりもっと怖い「戦争」。
憎しみの連鎖が何も生まないことを、世界は知るべき。
世界は9.11から、まだ学んでいないとも思います。

世界が讃えたのは東北人の我慢強さでした。
私は、それは「和」の心だと解釈しています。
他人を思いやりながら、上手く妥協する技。

「和」の心は、東北を癒し、世界をも癒す。
日本が誇る「和」という智慧に、すでに世界が
気づき始めています。

この6カ月間、毎日、東北のことを書いてきました。
私の稚拙な意見に、異論を書き込んでくださった皆様。
毎日それを読みながら、価値観の多様性を学びました。

私は、放射能汚染は極めて深刻だと思います。
しかし必ず乗り越えられる、とも思います。
この2つは一見相反するように見えますが、違います。

3.11で、日本人は目覚めただろうか。
目覚めていない人も沢山いると感じます。
しかし、多くの目覚めたひともいた。

5%の人が変わると世の中が変わる、と聞きました。
その意味で言うと、やはり変わってきているのです。
目に見えない形で、いい方向に変わって行きます。

明日からは、震災以外の医療関係の話題も交えながら
3.11以前のように、自由にまた書いていきます。
とりあえず、今日はひとつの区切り。

この6月間、正直、日々の仕事は忙しかった。
在宅医療は忙しくなる一方です。
しかし被災地の方の御苦労を思うと頑張れました。

これまで何度も同じことを書いて、スミマセン。
確信犯的に強調したいことを繰り返し書きました。

本シリーズの最後に、「共震ドクター 阪神、そして東北
(ロハスメデイア)を是非、読んでください。

阪神の経験を東北に活かしたい一心で、
ジャーナリストの熊田梨恵氏と書き上げました。
彼女には豊岡の水害の経験した想いもあります。

これは営利目的の本ではありません。
印税は一切ありません。
ただただ一人でも多くの人に読んでほしい。

このままでは、この冬を乗り越えられない人が出ます。
そうならないために何が必要か?
そういう想いを込めて書いた本です。

和歌山・奈良の災害現場はまだまだ大変ですが、
今日を節目に、一旦話題を変えさせて頂きます。