《0529》  混合診療の意味 [未分類]

混合診療という言葉を聞いたことはありますか?
なんか、分かったような分からないような言葉。
おそらく、ちゃんと知っている人は少ないはず。

混合とは、混ぜること。
保険診療と自費診療を混ぜることが混合診療です。
保険診療では、混合診療は禁止されています。

分かり易い例でお話しましょう。
糖尿病で通院中の方が、「保険適応薬に加えて保険が
効かない薬も出してくれ」と頼んだとしましょう。

保険の効く糖尿病の薬と保険の効かない糖尿病の薬。
上手く組み合わるのは、とてもいいような話ですが、
現実の規則は、それを許してはいません。

許さないとはどういうことか?
混合診療をしたら、保険診療の規則違反なのです。
その代償として、保険の効くはずの薬まで自費になる。

つまり、全額、自費ということです。
混合診療をしたら、全てが保険適応外。
一種のペナルテイのような厳しい規則です。

外来通院ならその日1日の診療費だけが自費です。
一方、入院医療で混合診療したらどうなるのでしょう。
なんと、入院医療費全額が自費になってしまうのです。

そんなアホな!と思う方が多いと想像します。
しかし、これが保険診療規則の大原則なのです。
とにかく混合診療は全く許されていないのです。

では糖尿病で外来受診した時にED薬を貰うのはどうか。
バイアグラなどのED薬は、保険適応薬ではありません。
これは、全て自費になるのでしょうか?

答えは、保険診療を終えて一旦医院の外に出てから
再度、ED診療のために門をくぐって受診すればOK
保険診療と自費診療が独立しておればOK!

保険診療は保険診療で完結し、
自由診療は自由診療で完結する。
両者が同時に行われなければ混合診療ではありません。

カルテは別々に、2つ作る必要があります。
保険診療のカルテと、自費診療のカルテの2種のカルテ。
両者を明確に区別することが厳しく義務づけられています。

退屈な話をここまで読んで下さった方に感謝申し上げます。
なんだか分かったような分からないような話だと思います。
しかし、診療現場では、どこもこのように処理しています。

では、なぜ混合診療がいけないのか?
また、なぜそこまで厳しく罰せられるのか?
糖尿病薬とED薬ならいいが、抗がん剤ならどうか?

混合診療を巡る国民の疑問は尽きないと思います。
実は私自身も、その理由がよく分からないのです。
しかしまずは混合診療を知ることから始まります。

続きは、また明日。