《0534》 胃ろうをつくる時期 [未分類]

胃瘻を造設する時期は、意外に難しいものです。
見るからに衰弱してからだと、造設にリスクが伴います。
内視鏡を飲んで30分で作れますが、細心の注意が必要。

30分間も内視鏡を飲むのです。
内視鏡を入れている間に血圧も脈拍も大きく変動します。
心機能が低下した老人なら、致死性不整脈が出るかも。

胃袋に体外から、「針」を刺すのです。
針は腹膜を貫き、胃壁も貫通させるのです。
その間に血管や腸が存在するかもしれません。

安全と言われる胃瘻造設術ですが、失敗例もあります。
細心の注意を払っても、上手く造設ができないことも。
人の胃袋の位置や形は、実に様々なのです。

上手くいって当たり前の胃瘻ですが、
造設する側は細心の注意を払って、
ビクビクしながら造ります。
造ってもすぐには使いません。

これだけの作業を行う胃瘻造設は、ゼロリスクではない。
これを衰弱した高齢者に行うのは、凄いことだと思います。
出来るなら衰弱しすぎてからではなく少し事前に入れたい。

できれば、内視鏡に耐えうる体力のあるうちに作りたい。
かと言って早すぎると、折角入れても使わないことも。
胃瘻を入れる時期は、早すぎても遅すぎてもいけない。

胃瘻、胃瘻って、簡単に言いますが、実は簡単ではない。
テクニックもタイミングもメンテナンスも、実に繊細。
胃瘻を入れるとしても、その時期にはいつも悩みます。