《0543》 平穏死の条件(その4)/骨折をシミュレーションできるか? [未分類]

高齢になると、よく転倒します。
私は高齢ではありませんが、たまにこけます。
まだまだ若いので骨折しませんが、高齢者は骨折します。

腰椎圧迫骨折、大腿骨頚部骨折、手や肩の骨折。
これらは、現実です。
長生きすれば誰にでも起こり得ることです。

私は、普段から骨折時のシミュレーションをします。
本当に骨折した時、入院して手術するかどうか。
もっと端的に言えば、救急車を呼ぶかどうか、です。

ある程度、仲良くなれれば、ご家族とそんな話もします。
不謹慎かもしれませんが、シミュレーションは大切です。
これこそが、在宅医の仕事だと思っています。

大腿骨頚部骨折の場合、骨折前に歩けるかどうかがポイント。
歩けていて、手術が成功しても、その後歩けるかは不透明。
手術は成功したが歩けませんでした、を沢山見てきました。

ほぼ寝たきりだった場合、骨折しても手術しない場合も多い。
手術する意味は歩けるためですが、放棄する場合もあります。
残酷な話のようですが、現場では、仕方がありません。

それを見越したご家族から、入院を拒否される場合も多いです。
そんな時、正直、ホッとします。
私の口からは言い辛いが、家族の口からなら問題になりません。

転倒、入院、手術をきっかけに認知症状が出る人がなんと多いか。
現場の医療者らが一番知っています。
最近はCGAという概念が出来て少しずつ変わりつつありますが。

転倒、骨折、は誰にでもおこること。
いざ、その時に慌てないように、その時の対応を考えておく。
これが私の平穏死の条件の、4番目として書いておきましょう。

PS)
認知症の家族会のみなさまと、伊勢に来ています。
例年、北海道ですが、今年ばかりは、お伊勢さん。
深夜まで、介護者たちと、話こんでいました。
以上は、今夜の雑談から、気がついた話です。