《0555》 平穏死の条件(その16)/すべての病気に「緩和医療」を [未分類]

「緩和医療」という概念は、すべての病気に適応すべきです。
「ホスピス」と呼ばれる施設は末期がんとエイズが対象です。
しかし、本来は、すべて病気を対象とすべきだと思います。

緩和医療とは、「痛み」を和らげること。
痛みとは、肉体的、精神的、社会的な痛み。
さらに、霊的な痛みをも癒すのが「緩和医療」です。

がん以外の病気でも苦痛はあります。
老衰で死ぬにも多少苦しむことがあります。
骨粗しょう症で寝たきりになれば背中が痛みます。

最近嬉しいことに、緩和医療の概念が広がりつつあります。
例えば、「慢性疼痛」という概念が浸透してきました。
3カ月以上持続する耐えがたい痛みが、慢性疼痛です。

この慢性疼痛に、麻薬が使えるようになりました。
なんだそんなことか、と思う方もおられるでしょう。
しかしこれまでは、これで大変苦労してきたのです。

痛みを病気によって差別してはいけません。
がんの痛みであろうが、非がんの痛みであろうが、
「痛いものは痛い!」のです。

緩和医療という概念は、病気の種類のみならず、
年齢、性別、人種を超えた広い概念だと思います。
緩和医療を受けるのは、基本的人権だと思います。

尊厳死協会の歴史を調べていたら、「ホスピス運動」が
出て来ました。
やはり尊厳死は「緩和医療」を基礎とする概念でした。

平穏死と緩和医療は、車の両輪であると
今更ながら勉強しました。
考えてみれば自分の日常が、両者そのものなのですが。

平穏死の条件、16番目は、緩和医療です。
緩和医療こそが、平穏死の必要条件だと思います。
これも当たり前かもしれませんが苦しんでいる人もいます。

PS)
明日、1時半から、日本尊厳死協会関西支部大会で
講演します。会場は、神戸元町にある兵庫県民会館。
演題は、ズバリ「平穏死の条件」です。

このブログで書いてきましたが、よかったら聞いてください。
一緒に平穏死を考えましょう。
砂川恵理歌ちゃんが「一粒の種」を歌って花を添えて頂きます。