《0556》 平穏死の条件(その17)/日本尊厳死協会に入会する理由 [未分類]

一般社団法人・日本尊厳死協会という組織があります。
35年もの歴史がある市民組織で、なんと
全国に12.5万人もの会員さんがおられます。

私が支部長を拝命している関西支部には、1万8千人もいます。
年に2千円もの年会費を払っている会員がそれだけいるのです。
なぜお金を払ってまでそんな会に入会されているのでしようか。

それは尊厳死しにくい現代医療事情があるからなのでしょう。
尊厳死が事件になり医師が逮捕される度に会員が増えてきた。
そうした世相を反映しているとも言えます。

尊厳死、平穏死、自然死はほぼ同じ意味です。
これは石飛幸三先生に直接確認しました。
尊厳死には遷延性意識障害が含まれますが。

尊厳死宣言とは自らの意思で延命治療お断りを宣言すること。
死期が迫った時に延命処置を希望しないという意思表示です。
これが、「リビングウイル(LW)」です。

遺言は、亡くなってから効力が出ますが
LWは、生きている時から効力が出るものです。
生きていても意思表示できない場合があるからです。

尊厳死協会に入会するには、LW宣言書にサインをします。
1通は協会本部に、1通は自分自身で保管します。
さらにそれが書かれたカードを常に持ち歩きます。

いつどこでそんな事態に巻き込まれるかもしれません。
しかし巻き込まれた時には、もう遅いのです。
例えば今日脳卒中で倒れ、一命を取り留めても認知症になった。

それから延命拒否の意思表示したくてももうできません。
ですから、元気な時に入会しておかなくてはいけません。
10代、20代の会員もいるのもなるほどうなずけます。

医療機関にかかる時、病院に入院する時などに、
最初にリビングウイルカードを提示します。
たいていそのコピーをカルテに挟んでくれます。

最初に医療者に提示してください。
これは憲法13条、幸福追求権でもあります。
あるいは、私は人権であるとも思っています。

尊厳死したくても尊厳死できない現実。
だから、尊厳死協会に入会するのです。
そう念じる人が、沢山おられるのです。

実は私も会員の一人です。
LWは医師も一般市民も同じ思いです。
私だって、あのような延命は御免です。

今日は尊厳死協会の関西支部大会で講演します。
演題は、ズバリそのまま「尊厳死の条件」!
さて、どんな1日になるのやら・・・

平穏死の条件、その17は、
日本尊厳死協会に入会することです。
現在、それが平穏死に一番有効な手段です。