《0570》 ギリギリ入院に振り回される日々 [未分類]

昨日は、とても忙しい1日でした。
外来も在宅も、「緊急」だらけ。
町医者といえど、毎日が筋書きの無いドラマです。

野戦病院状態の外来に混じってのインフルエンザ接種。
新型だの季節性だのが無いだけまだましかもしれません。
その合間を縫って、医師会の用事や訪問診療やケア会議。

昨日、在宅看取りの確認をしたご家族からのパニック電話。
いくら看取りと決まっても安心できません。
遠くの親戚や、近くの友達が、いろいろアドバイスします。

「どこでもいいから、今すぐ、入院させてくれ!」
普段は冷静なひとでも、イザという時には、豹変します。
パニックは、常に、救急車と病院を求めます。

その先に何があるのか見えなくても、藁をつかもうとします。
それが人間なのでしょう。
やっとの思いで入院先を探しました。

しかし今度は、「○○病院(有名病院)でないといやだ」。
つい1時間前と言う事が、ガラリと変わります。
我々は常に受け身ですから、家来のようにただ従うだけ。

別の患者さんからも、電話がかかってきました。
診療を終えて往診に向かおうとすると必ず足止めされます。
近所の友人が見舞いに来て、「入院!」を叫んでいます。

やっとの思いで入院先を見つけると今度は本人から電話があり
「あれはただの友達が勝手にしたこと。入院はしません」と。
大恥をかきながら、病院に詫びを入れます。

何度も言いますが、我々は常に受け身です。
患者さんやご家族の、時に、無尽蔵な要望にも
応えなくてはなりません。断ると訴えられるかも。

もちろん余りにも理不尽な要求はハッキリ断ります。
しかし実際には、グレーゾーンの要求が多いです。
様々なレベルの限りなき欲望にお付き合いする毎日。

以前、「ギリギリ在宅」という話を書きました。
しかし「ギリギリ入院」を、頼んでいるのは私です。
そう、在宅医にも病院医にも「主導権」はありません。

その意味では、両者は同じような存在かもしれません。
受け身しかないのは正直辛い。
しかし、これが現代医療のあるべき姿だとされています。

PS)
11月13日のイベントの打ち合わせ会をしていました。
学生さんともお話しました。
いろんな人が来て、いろんな話をする会になりそうです。