《0596》 早くお迎えが来ないかなー [未分類]

「早くお迎えが来ないかなー」
毎日、何人かから言われる台詞だ。
大体が80歳代後半から90歳代。

ここまで生きたから、いつ死んでもいい。
会うたびにそう言う人は多い。
どこか誇らしげでもある。

しかしそんな人に限ってなかなか死なない。
「死んでもいい」と言うひとが死なず、
「死にたくない」と言うひとが死んでいく・・・

世の中、不思議なものだとつくずく思う。
先日、本当に不思議なことがあった。
前日そう言っていた人がトイレの中で亡くなっていた。

本当に、急にお迎えが来てしまったのだ。

本人が予言したとうりになってしまった。
普段、そんなことを言わない人だったのに
前日に死期を悟ったのか?

年に不足はなかったので、ご家族も警察からの急な朴報で
少し慌てるもすぐに落ち着きを取り戻された。
寒くなるとこういうピンピンコロリが時々ある。

死期を悟ると言えば、そんなことが時々ある。
怒りっぽい人が、急に「ありがとう」と微笑んでから
亡くなっていくという話は本当にある話だ。

人間も動物的勘で、死期が何となく分かるのだろうか。
老衰的な看取りでは、そのようなひとを時に経験する。
しかし末期がんのひとは、分からないまま亡くなる事が多い。

あと1日と予想される患者さんに今後の予想を聞いてみたら、
「病状は悪いけど、あと3年は大丈夫だと思うな」。
みんな楽天的な予測の中で、亡くなっていかれる。

「お迎え」
いい言葉だと思う。
日本的で、仏教的。

そう、日本人にとっては、
「死」とは、「お迎え」だったのだ!

PS)
一昨日は、毎年恒例の、在宅患者さんをお招きしての
クリニック主催のクリスマスパーテイでした。
1歳から100歳までの在宅患者さんが大集合しました。

人工呼吸器や胃瘻をつけた患者さんたちを前に
私も一生懸命、下手な歌を歌いました。
来年も同じようにここで会おう!と言いました。

また、南三陸町の保健師さんが、尼崎で講演されました。
まだまだ仮設住まいなので「ホテル泊」がとても嬉しいと。
「お世辞抜きで尼崎に来て良かった」と言って頂きました。

昨日は、名古屋で終末期医療の研究会に参加しました。
市民、医師、弁護士らが熱心に議論しました。
内容に興味のある方は個人ブログをご覧ください。