《0599》 化粧ボランティア [未分類]

昨夜は、介護の話を聞きながら日本酒を楽しんでいた。
新しくなった大阪駅に隣接した新しい街の素敵なお店。
創業1689年という造り酒屋の社長も秋田県から来阪。

同席した女性とこの朝日新聞電子版の話をしていた。
「今、毎日しつこく、看取りの話を書いてますねん」
「あら、私も、よく化粧ボランティアをやっているのよ」

化粧ボランティア?
てっきり、エンゼルメイクのことかと思ったが、
そうではなく、生きている人へのお化粧とのこと。

彼女は、お化粧を専門とする大学教授だった。
学生たちと特養などの老人施設を回ってお化粧をするのだ。
お化粧で老人たちが活き活きと蘇るのがわかるそうだ。

正確に言うと、女性たちが活き返るのだ。
「男性はそういう素直さが無いから、すぐに死ぬのよ」
早く言えば、そのような意味のことも言われた。

たしかに。
生きるとは、顔を綺麗にしておくこと。
顔は、生の象徴。

顔で人を識別して生きている。
死んでもなお顔で識別している。
たしかに人間のアイデンテイテイは顔にある。

思わず「見た目のアンチエイジング学会」を連想した。
たしかに、人は見た目が、9割。
若く活き活きしているにこしたことはない。

看取りの直後に髭をそったり顔を綺麗にする看護師さんを
ボーっと眺めていることはよくある。
しかし生きている人の顔にもっと拘るべきだと教えられた。

と言いながら二日酔いのボロボロの顔で、「尊厳死議連」の
議論をするために午前6時の始発電車で上京中。
昨夜は「化粧ボランティア」というものをはじめて知った。