《0060》 恨めしい?「がんの免疫医療」 [未分類]

続きです。
免疫療法専門クリニックの院長先生の講演会では、集まった
在宅ホスピス医から、沢山の質問が出ました。

まず、「その点滴をして熱が出たら、誰が対応するのか?誰の責任か?」
そして「効かないならやめるというが、実際には亡くなるまで続けているではないか?」
「在宅医や後方支援病院との連携はどうなっているのか?」など。

在宅医は、100円の医療費にも文句を言われることがあります。
一方、免疫療法は、100万円単位の治療法です。
桁が三つも違います。
有無を言わさず、その対応や責任までも押し付けられている格好の
在宅医には、免疫療法への不満が潜在的に鬱積(うっせき)しているのです。

「何百万円も投資した免疫療法が効かずに亡くなっても文句を言ったり、
訴えられたりしないのか?」との質問には、「それが、不思議とない」そうです。
1カ月何万円もするような高価な健康食品が効かなかった人も、そういえば、
不思議と文句を言いませんね。

実際、ほとんどのがん患者さんが何らかの健康食品を飲んでいます。
何万円、何百万円だから、納得されるのかもしれません。
「それだけ使ったのだから悔いはない」と、よく言われます。
「大金で夢を買ったからこそ納得」されるのかもしれません。

数百円単位の訪問診療費や訪問看護費を惜しむ方でも、何十万円もする
外国製だという健康食品には惜しまないようです。
また、葬儀屋さんにも惜しみなく使う方が多くいます。

お金の話ばかりになりました。
私は、「今後は、免疫療法医と在宅ホスピス医との連携を強化しよう。
そして連携でエビデンスを作ろう」と提案しました。