《0600》 焼き場も予約が必要!? [未分類]

多死社会。
それを実感するのは、近くの葬儀屋さんの看板に
並ぶ名前がいつも一杯である時。

最期に入院した患者さんの死をそこで初めて知ることも多い。
衰弱した老人が入院したら、たいてい次に会えるのは葬儀場。
正確には、葬儀場の看板。

年間110万人が亡くなる。
と聞いてもピンとこない。
それが、150万人になると聞いてもまだピンとこない。

簡単に言えば、死者が1.5倍に増える。
これは凄い数字だ。
何の商売にせよお客さんが1.5倍に増えることは凄いこと。

葬儀をしないで直接火葬場に行く「直葬」が増加している。
だから葬儀屋さんの仕事が、1.5倍になるとは限らない。
しかし焼き場の仕事は、確実に1.5倍に増えるはず。

現在でも、3~4日待たされることがよくある。
その間をどう過ごしたらいいか、よく相談される。
「我々は死ぬまでが仕事なので・・・」と、力になれない。

「ちゃんと、焼き場を予約しておかないとね!」
「えっ!?」
不謹慎な冗談で誤魔化すこともある。

しかし在宅で亡くなられた方は、むしろその時間を
死者を悼む時間として有効に活用されているようだ。
2~3日間かご自宅に安置される時もある。

多死社会を前に焼き場はどんな対応をしているのだろうか。
燃焼効率を上げる!?などの機械の改良だろうか。
「死」の向う側は恥ずかしながら全然知らない。

今年、ご自宅で看取らせて頂いた患者さんは現在50余名。
不思議と昨年とだいたい同じ数になる。
正確に言うと、毎年少しずつ増えている。

別に看取るために在宅医療をしている訳ではない。
まして数をいちいち数えているわけでもない。
役所に年間看取り数を報告する義務があるので数えているだけ。

しかし数字は正直だ。
確実に多死社会に向かっている。
私自身も多死社会の最中で死を迎えることになる。

PS)
昨日は、議員会館で朝から尊厳死法制化議連と日本医師会と
日本尊厳死協会とで終末期医療に関する議論をしていました。

午後は、日本慢性期医療協会で、また終末期医療の勉強会。
まさに朝から晩まで終末期議論にドップリつかっていました。

インフルエンザが少し流行ってきました。
予防接種を希望される方はお早めに医療機関に来てください。