《0606》 ご質問へのお答え(個人的な経験) [未分類]

「むらさきの花」さんへ。

私の家族の看取りの様子。
この質問をして頂きありがとうございます。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

実は、昨日12月14日は私の父親の命日でした。
私が高校生の時に自死しました。
京都の八幡神社の裏でした。

うつ病を患っていました。
一緒に京都のお寺巡りをしたのが最後でした。
それから行方不明になりました。

3日後、京都の警察署から電話がありました。
寒い夜、訪ねて行くと警察の外にある小部屋に
父が眠っていました。

穏やかな顔でした。
しかしその「死」はショックでした。
その感覚は今も全く薄れません。

看取った訳ではありません。
亡くなってから、焼かれる寸前に
引き取りに行ったのです。

葬儀の後、警察から聞いて発見してくれた人や
検視をして頂いたお医者さんたちにお礼を言うために
寒い京都の街を走り回ったことを鮮明に覚えています。

35年前の今頃です。

母親はまだ生きています。
だから、親を看取った経験はありません。
しかし「死」を受容した経験はあります。

これでよろしいでしょうか?

あと、個人情報に関するご質問です。
梨木さま、いつもありがとうございます。
ごもっともだと思います。

実は、少し変えて書いています。
時間や病名や背景など、少しずつ変えています。
こうして個人が特定されない工夫をしています。

記事と個人情報保護を両立させるためです。
ノンフィクションに限りなく近いフィクション
と考えて読んで頂ければ幸いです。

関係者が読めば「私かな?」と気がつくかもしれません。
しかしできるだけ特定されないようにして書いています。
これがお答えです。

私は、作りものが嫌いです。
現実主義というのでしょうか。
だから嘘、作り話には興味がありません。

高校時代の体験が、その後の人生に大きな影響を
与えているのでしょう。
自分ではよく分かりませんが。

自分の死生観は、変わっていると思います。
在宅医と飲んでいても、自分は異質だと思います。
しかしそれでも、楽しく在宅医療が出来ています。

「看取りの現場から」は現場の医者の本音を
伝えるために書いています。
看取りが多いので伝える義務があるのかな?と。

医者らしく病気の話の方がいいですか?
しかし病気の難しい話は、どこにでも書いてあります。
私は、どこにも書いていないことを書こうと思います。

まさに父の命日に核心をついた質問を頂き
ギョッとしました。
これも何かのご縁なのでしょうか。

毎日、朝起きてから頭に浮かんだことを書いています。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。
変な医者の独り言に興味のある方に読んで頂ければ幸いです。

PS)
昨日、当院ではじめてインフルエンザが出ました。

A型が一人、B型が一人。
これは事実です。(個人情報ではないと思います)
許されるだろう、と思う範囲で書いています。

今日は、朝から往診して休む先生の代診に入り、
午後は講演会、夜は勉強会に忘年会・・・
患者さんも多く、毎日がドラマのようです。

今年もあとわずか。
毎日が忘年会、ですが
風邪をひかずに頑張りましょうね!