《0061》 「効いた!」と実感できない免疫療法 [未分類]

「免疫療法」の続きです。
がんの相談を毎日のように受けます。
その多くの方から、「免疫療法」絡みの相談も受けます。
これは、町医者や在宅ホスピス医のみならず、大学病院や
がん拠点病院のがん専門医も同じく、皆、答えに困っています。

もちろん、病気のステージにもよります。
これが、最も重要です。
どの治療法も同じことですが、がん細胞(=敵)の数が少ないほど
その治療が効く可能性が高くなります。

しかし、人間の思いは、なかなかそうはいきません。
最期の最期になって、藁をもつかむ思いで、「免疫療法」にすがる
患者さんが後を絶ちません。

「私は高い免疫療法を受けているんだ。
お前のような緩和医療医に何が分かるんだ!」と言われたこともありました。

しかし、これまで自分が担当した患者さんで、免疫細胞療法を含めた
免疫療法が「効いた!」と感じた患者さんは、正直、1人もいません。
数年前のNHKスペシャルでの検証結果も「有効とは言えない」でした。
いまだにエビデンスが得られていないようです。

今回の勉強会でも、院長先生は、「敢えて」かもしれませんが、「著効例」は、
一例も提示されませんでした。

しかし、もちろん、有効と判断される症例は沢山あります。
また、免疫細胞療法には、歴史と症例の蓄積があります。
全国十数カ所の大学病院でも、先進医療として既に実施されています。

今後は、詳細なデータを集積することが大切です。
そのためにも、在宅医と免疫療法医がしっかり連携することです。