《0619》 訴えるのは家族 [未分類]

今の医療は、訴えられないための医療と言える。
デフェンス・メデイシン(守りの医療)。
ゴルフや野球なら守れば優勝するかもしれない。

一方、医療では時には攻めないと命を救えない時もある。
しかし、攻めて失敗すれば大きなものを失ってしまう。
微妙なバランスの上に医療は成立している。

「看取りの現場」という題で書いているが、
実際に看取るのは、家族や親しい方々。
「看取り人」とは、看護師ではなく、御家族。

在宅看取りで訴えられることを懸念する医師が多い。
病院でさえそうだから、在宅ではなおさらだろう。
と、病院のお医者さんによく質問される。

しかし幸か不幸か実際に訴えられたことは一度もない。
私を訴えるとしたら、ご家族しかいない。
当の本人は、天国にいるからだ。

だから、どうしても、家族への説明に気をとられる。
家族にはいいだろうが、当の患者さんに申し訳ないと
思う時がある。

しかし看取りの現場で、訴えるのは、常に家族。
その家族って一体なんだろう?
時によく分からなくなる。

多くの医師は、守りに徹する癖がついてしまっている。
患者さんの満足よりも、訴えられないことが優先する。
その結果が、患者さんが望まない延命治療へと繋がる。

フルコースさえしておけば、とりあえず訴えられないだろう。
医者はとかくそんな気持ちになりがちだ。

でも、外国では、フルコースをすると訴えられる。
不思議だ・・・

PS)
昨夜は、大阪道頓堀での講演の後、
深夜までいろんな方と話込んでいました。
車なので酒も飲まずに、歌も歌いました。

昨夜は、今年で一番忙しい外来でもありました。
インフルエンザが本格的に流行ってきたので忙しい。
どうかな?と思って調べると、半分以上が陽性です。

点滴のインフルエンザ薬をファーストチョイスで
使い始めました。
多少高くても1回で早く治る方がいいかと考えています。