《0629》 被災地の宅老所スタッフとの宴会 [未分類]

昨日は、宮城県の宅老所のスタッフ達と交流させて頂きました。
彼らは医療保険にも介護保険にもどちらにも関わっていません。
NPOとして活動されている、知るひとぞ知る有名な団体です。

医療保険と介護保険の制度の狭間を埋めるのが彼らの仕事。
住み慣れた地域で住むと言っても、自宅が流された人たち。
石巻の仮設住宅にボランテイアとして、入っておられます。

気仙沼の仮設もそうでした。
阪神大震災の仮設もそうでした。
仮設には、社会的弱者が取り残されていきます。

借金のある若い人なら、自力で出て行くひともいます。
しかし、二重ローンになるひとは無理です。
老人や障害者も仮設を出るのは簡単ではありません。

仮設住宅に住みながら、お医者さんに通院するひとがいます。
デイサービスを利用しているひともいます。
訪問診療や訪問看護は、まだそんなに多くはありません。

介護保険ができて、介護の社会化が実現しました。
しかし型にはまった、規則に縛られた「ケア」が生まれました。
宅老所に想いを込めた人の中には介護保険に乗らない人がいます。

その人たちが、昨夜の仲間たちでした。
そのノウハウを仮設住宅で活動しているボランテイアさんたちに
伝授するのも、彼らの大切な仕事です。

仮設の話をしていたら、いつの間にか日本の介護保険制度
の話になりました。
施設と在宅の話。どちらも大切です。

老健、特養、介護療養病床、小規模多機能、グループホームの
違いがいくら勉強しても分かりません。
彼らにその違いを教えてもらいました。

さらに高専賃、小規模多機能付き訪問看護ステーションの意味。
さらに何故、特養や老健にショートステイがあるのか。
普段からの疑問を、介護の専門家に沢山聞きました。

これだけ在宅をやっている私が理解できていないのだがら
きっと、一般市民の方はとても理解できないと思いました。
介護のプロの分かり易い説明に、少し賢くなりました。

さらにケアマネ問題についても議論しました。
ケアマネは、本当に要るか要らないのか。
どうすればケアマネの地位向上が図れるか。

彼らは国の廃校になった小学校を託老所に改変しています。
少子化で余るものを、高齢化に利用しようという発想です。
こういう柔軟な発想はNPOだから自由にできるのでしょう。

昨年の3.11は神戸でユニットケアの学会をしていました。
東北の介護施設のスタッフたちが阪神間で足止めをくらいました。
しかしそこから生まれた交流もあります。

その学会の会長先生も昨夜は来られていました。
今年も昨年同様、その学会が3.11に神戸で開催されます。
介護のひとたちは、ひとの暮らしを真剣に模索しています。

医療者は介護者を知らない。
介護者は医療者を知らない。
時には酒を飲んで、とことん話すことが大切だと思いました。