《0638》 ボランテイアのいる病院 [未分類]

昨日は元気ながん患者さんに「精神腫瘍学」の講演をしました。
心とがんがどのような関係にあるのか2時間ほどお話しました。
対象は、あくまで、がん患者さんです。

がんのピアサポーター養成講座の一環の講演です。
ピアサポートとは、がん患者ががん患者を助けること。
元気ながん患者さんが、悩めるがん患者さんの相談にのります。

傾聴の基本、うつと不眠、自殺予防などについてお話しました。
みなさん、熱心に聞いて頂きました。
がんを患った経験をボランテイアで活かす患者さんもいるのです。

がんを宣告されたら、ほぼ誰でも混乱します。
様々な精神反応が現れます。
その時に、周囲のひとはどうすればいいのか・・・

患者さんや介護者相手の講演も、こまめにしています。
熱心なボランテイアさんがいると本当に助かるからです。
医療と介護の狭間を埋めているのは、ボランテイアさん。

先日書いたCLC仙台のようなNPO法人もあれば、
元・患者さんが個人で活動されている場合もあります。
自分が助かったから、ひとを助けたいという人も多い。

今日は、1.17の前日です。
毎年、この季節になると17年前のあの日を思い出します。
昨日の講演会の主催者である黒田裕子さんともお話しました。

私にとっても黒田裕子さんにとっても、1.17が契機でした。
1.17の時、私は市立芦屋病院にいました。

その病院には、常にボランテイアさんがいました。

院内で患者さんの介助、誘導をするボランテイアです。
一方、在宅現場では、傾聴やメンタルケアなどを
手伝ってくれるボランテイアさんもいます。

ボランテイア養成講座の講師は、楽しいです。
みなさんが経験者だから熱心に聞いて頂ける。
課題はそのようなボランテイアの存在が知られていないこと。

当院でも様々なボランテイアさんに手伝ってもらい運営しています。
春の花見、冬のクリスマスパーテイはボランテイアに来てもらいます。
春のがん講座、秋の認知症講座もボランテイアに手伝って頂きます。

阪神大震災を機に有名になった、「ボランテイア」。
そして今回の震災でも活躍中の「ボランテイア」。
病院や在宅現場で活動する「ボランテイア」。

ボランテイアさんのいる病院は、どこかホッとします。
当院でも少しずつ、ボランテイアさんが増えています。
制度の狭間を埋めるボランテイアさんはいつの時代も貴重です。