《0640》 入院中の患者さんへの投薬 [未分類]

入院中の患者さんのご家族が、当院に普段飲んでいるお薬を
取りに来られることがよくあります。
一見なんでもない行為のようですが厳しく制限されています。

入院中は、基本的に、病院から薬をもらうことになっています。
身柄を病院に預けているので病院の責任で行うべきという考え。
一見筋が通っているようですが、様々な問題をはらんでいます。

病院の診療報酬は、包括性です。
何を検査しても、点滴しても、そしてお薬を出しても
1日何千円と、ポッキリ料金の形で定められています。

だから病院でお薬を出すと、病院が損をすることになります。
たとえ損をしても出すべきですが、それでは経営破綻します。
また院内処方の病院なら、そんなお薬を置いていないことも。

本当は、入院中の患者さんに開業医は投薬できます。
ただし、病院の入院報酬が3割カットされます。
なんだか病院と喧嘩になりそうですね。

  • 白内障の手術で入院したが、腰が痛くなり湿布が欲しい。
  • 盲腸で緊急入院したので、普段飲んでいるの降圧剤が欲しい。
  • 入院前に、薬を貰いに来るのをすっかり忘れていた・・・

いろんなパターン、ニーズがあります。
しかし、入院中の患者さんの投薬には
開業医も患者さん自身も本当に苦労しています。

医者も患者も、規則の狭間に落ちているのです。
病院は包括制で、診療所は出来高払い制です。
その「段差」が、曲者なのです。

制度が細分化されても、必ず「段差」ができます。
その段差を、診療報酬改定作業で丁寧にならしていきます。
もう、春の診療報酬改定のカウントダウンが始まりました。