《0647》 吸入か、点滴か? [未分類]

インフル治療薬には、3つの剤形があります。
飲み薬、吸入薬、そして点滴です。
吸入か点滴かで悩むことがよくあります。

保険診療の規則では、内服が出来ない場合や即効性を要する
場合のみ、点滴に健康保険が適応されます。
それ以外は、内服か吸入で治療するのが原則とされています。

その規則からいえば、点滴の出番は、そうは多くはないはずです。
しかし点滴の方がウイルスの排出が確実に短縮されるならどうか。
もちろんウイルス排出時間が短いにこしたことはないはずです。

インフルは、通常、放っておいても自然に治ります。
治療するのは、休む期間を2日間短縮するためです。
個人も利益と会社の利益の、両方の利益のためです。

ウイルスが早く消失した方が、社会の利益も大きいでしょう。
そう考えると、点滴で治療した方がいいのかな?と思う時も。
吸入か、点滴か?という命題は意外に難しく悩ましいのです。

点滴の方が少しだけ高価な分、窓口負担が少し高くなります。
しかし数百円の投資で1日早く会社に行けるならその方がいい?
そんなこんなで悩みながらも、私は今年は点滴をよく使います。

おそらく、世間では点滴派より吸入派のお医者さんのほうが
多いのが現状だと推測します。
年々、インフル診療も変わっていきます。

点滴は今のところは、いい印象しかありません。
特にタミフルが使えない10代の子供にはいい。
そして在宅医療と老人施設では大変助かっています。

PS)
こうして毎日、インフルについて書いているうちに
インフル患者さんが急増しています。
特に診察終了前後にフラフラで受診されます。

座って待てないため、みなさんソファーに寝ています。
それを見ただけでインフルと分かる位、です。
とにかく目が回るくらい忙しい毎日になっています。

在宅患者さんの急変も増えています。
肺炎、転倒、認知症の周辺症状・・・
月末から2月がもっと大変になりそうです。