《0660》 介護の理想形、ゴジカラ村(その3) [未分類]

「汚なくてもいいじゃないか!」
ゴジカラ村の村長、吉田一平さんの言葉です。
今回のゴジカラ村訪問で、一番印象に残った言葉です。

ゴジカラ村の建物は、味のある木の温もりに溢れています。
また、雑木林らしい木々も溢れています。
しかし木が朽ちるのを心配する人もいるそうです。

「そんなもの、その時になってから考えればいい」
「老人は、ウンコ・オシッコで汚いから、あまりにも
綺麗な環境より適度に汚い環境の方が安心できるんだ」

これらの言葉は、スーと入ってきました。

綺麗なホテルより、汚い我が家。
豪華ベッドより、薄汚れたマイ布団。
人間とは、そのような生き物です。

在宅患者さんを回ると、ゴミ屋敷に近いひともいます。
正確に言うと、ゴミ屋敷としか言えないひともいます。
しかし、肝心の本人は極めて満足そうに寝ています。

人が住むとは思えない劣悪な環境もあります。
まあ、ヘルパーさんが片ずけてくれるのですが、
あまり片ずけすぎると、満足度は下がります。

適度に汚くてもいい。
ほどほどでいい。
心地よければそれでいい。

そんな当たり前の感覚。
人間が本来持っていた感覚を
呼びもどしていただきました。

釜で炊かれたご飯をみんなで食べました。
本当に「同じ釜の飯」を食べた気になりました。
ほんのわずかですが、実は大きなヒントを頂きました。

(このシリーズ終わり)