診察終了間際の駆け込み受診が増えています。
多い時は、20人くらいが駆け込んできます。
多くは発熱患者さん。
仕事帰りのサラリーマン。
仕事から帰った親が連れて来る子供。
夜が怖くなった老人。
38~39度の熱が出たばかりの患者さんばかり。
当然、患者さんもインフルが心配しての受診です。
しかし夕方から症状が出たばかりだとちょっと微妙。
発熱後12時間経過しないと簡易検査が陽性に出ないから。
実際には、必ず簡易検査を行います。
陽性ならいいのですが、陰性の場合、困ることがあります。
受診のタイミングに関する質問を頂きました。
「どのタイミングで受診すればいいか?」
たしかに、このブログを読むとそう思うでしょう。
発熱してすぐに診断、そして治療と行きたいところ。
しかし、肝心の簡易検査が出ないと迷うことも多い。
明らかにインフル症状(歩けない等)なら診断しますが。
医者側としては、少し時間が経ってからだと診断し易い。
発熱途上、発熱直後ならよく分からないこともあります。
しかし患者さんは発熱そのものを怖がって受診されます。
いずれにせよ、みなさん解熱を期待されます。
解熱剤が出ないと怒る患者さんもよくいます。
しかし、本当は西洋薬の解熱剤を使いたくありません。
発熱には意味があります。
ウイルスの侵入に対して免疫系が反応し、体温を上げて
ウイルスを排除しようとしているのです。
発熱は、ウイルス排除の一過程でもあります。
せっかく上がった体温を無理やり下げたくないのが本音。
通常、そのまま放っておいても体温は自然に下がります。
しかし患者さんは、発熱そのものが恐怖です。
死ぬのではと怖がる人も多い。
小さな子供さんは、熱性痙攣を起こすこともあります。
発熱そのものが原因で亡くなることは考えられません。
ですから「死ねへん、死ねへん」と言いながら診察します。
その言葉だけでも安心されます。
救急診療所は真夜中でも超満員です。
3時間待ち。
みなさん深夜の発熱に怯えながらの受診です。
何が言いたいのか。
インフルの簡易診断には、多少、時間の経過が必要なこと。
たとえ陰性でもインフルと診断し治療する場合があること。
発熱から少し経ってから受診してもあまり問題がないこと。
簡易検査陰性の場合、抗インフル薬を使いたくなければ
漢方薬を使うという手があります。
昔はこれが主力選手だったことを思い出して欲しいのです。
明日は、この漢方薬についてお話します。