《0678》 地域を病院に [未分類]

病院が一杯で入院できない。
入院してもすぐに退院させられる。
救急車はすぐに来ても搬送先が見つからない。

全国各地でこのようなことが起きています。
私のところでは入院先探しに1日以上かかる
こともあります。

これを「医療崩壊」と言います。
病院の医者がサボっているわけではありません。
病床が満員で受け入れることができないのです。

救急の医師も慢性的に足りません。
過酷な勤務で、訴訟リスクが高いからです。
それも医師不足の一部だと思います。

そこで考え出された苦肉の策が、
「地域を病院に」という、発想です。
要するに多職種が連携して在宅医療をすすめる。

税・社会保障一体改革という政策の中では、
これを「地域包括ケア」と言います。
ちょっとなじみが無い言葉でしょうが。

高齢者が増えて、治らない病気が増えました。
治らないなら、上手く付き合うしかありません。
地域のかかりつけ医が、往診をしてそれを診る。

昔は自然にそうなっていました。
しかし医療が高度化して医療=病院になりました。
それが、また昔に戻ると考えると分かり易いかも。

オールウエイズ3丁目の夕日のような在宅での医療。
そこにはご近所さんや民生委員さんも顔を出します。
それが「地域包括ケア」なのです。

この4月から、医療と介護の診療報酬が
新しい体系になります。
両者が同時に改定されるのは、6年に一度です。

というわけで、しばらくの間、医療の形が
どのように変わろうとしているのかを、
できるだけ分かり易い言葉でお伝えします。

(つづく)