《0068》 がんに漢方は効くの? [未分類]

日々、多くのがん患者さんと接し、様々な相談に乗ります。
がんを見つけても、治る人と治らない人に、分かれます。

病院からは、治らなかった人が続々と紹介されてきます。
抗がん剤治療中の患者さんを横からサポートする機会が増えています。

大腸がんの抗がん剤治療は、病院の外来で2週間に1回点滴します。
その後を支えるのが、我々町医者の仕事です。
ちょうど、ボクシングのセコンドのようです。

DPC(包括制)病院時代では、外来での抗がん剤治療が普通になってきました。
それだけに、セコンドがしっかりしないと、リング(病院)上で闘えません。

そんな中、漢方薬を使う機会が増えています。
既に病院から様々な薬が出ているので、「何か一つ」と言われたら迷わず、
漢方を処方します。

私がよく使うのは、「補中益気湯」と「十全大補湯」です。
なんだか、字を読むだけでも元気が出ませんか?
お腹を切った人には、「大健中湯」を腸閉塞予防の目的で使います。
その他、様々な漢方薬を、がんの患者さんに使っています。

残念ながら、私は、漢方薬で、がんが治った経験はありません。
しかし、「日々の生活が楽になった」という言葉はよく聞きます。

このレベルで判断されると「代替医療」と言われても反論できません。
この辺りが、漢方の最大の弱点です。

早く抗がん剤や免疫療法と同じステージの上で、科学的な検証結果が
出ることを期待しています。