《0705》 尊厳死を巡る1日 [未分類]

昨日は、まさに尊厳死を巡る1日でした。
某週刊誌に、私の記事が掲載されました。
国会では尊厳死法制化議連の総会でした。

私も日本尊厳死協会の役員として出席しました。
尊厳死法制化は、超党派の議員さんが10年近く
議論を重ねてきた案件です。

昨日はその集大成ともいえる法案(仮称)が提示され
各団体から意見聴取が行われました。
今日は、昨日の概要を簡単にご報告いたします。

法案の名前は、
「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案」

病気で不治かつ末期の状態となった時に、
患者さんご本人が、延命治療の開始を拒否した場合に
2人以上の医師とご家族の同意があれば延命措置を
不開始が可能であり医師は免責されるという法案です。

自分の最期は自分で決めるというリビングウイルを
認める内容の法案です。
基本的人権を認めるという内容です。

本人が望まない延命措置が続いているという現場
にいる患者さんやご家族から出た要望です。
大げさに言えば憲法第13条の幸福追求権の担保です。

本人の意思という尊厳が阻害された「生」が増えています。
私のところには毎日のようにそうした相談が舞い込みます。
そこで、仮称の法案に対する意見聴取が行われました。

日本医師会は、前回同様、慎重な姿勢を表明しました。
日本弁護士会は、反対表明されました。
障害者団体も、反対表明されました。

日本尊厳死協会は、法案を是とする旨のコメントをしました。
私自身は、「在宅現場では、尊厳死は日常。在宅看取りの
大部分は、延命治療の非開始の結果」と説明しました。

病院ではできない平穏死が、在宅現場では普通なのです。
議員さんからも様々な意見が出されました。
終末期の定義や延命措置という言葉への疑問も出ました。

結局、法案提出は今国会ではなされないとに結論でした。
時間をかけた国民的議論のうえで協議されることで終了。
昨年来の尊厳死議論は、特に進展なく終了しました。

とはいっても、昨日1日だけでも日本中で
何百人の胃瘻が作成されているのが現実です。
そうした議論をすることは大切だと思います。

というわけで、このブログでは暫くの間、再び
尊厳死や胃瘻の問題について詳しく書いていきます。
何が論点なのか、本質なのかみなさまと考えましょう。

PS)
石巻工業、残念でした。
しかし彼らの爽やかさを忘れません。
被災地の高校野球を応援しています。