《0711》 患者さんの権利 [未分類]

患者さんの権利って何だろう?
医療は患者さんのためにある。
その主人公である患者さんの「権利」とは?

その時代、時代の標準とされる治療を受ける権利。
医師から納得いくまで説明を受ける権利。
苦痛を取り除いてもらう権利。

ここまでは、あまり異論は無いと思います。
では、以下のことは、患者さんの権利でしょうか?
自分の死期が間近に迫った時に、自然に死ぬ権利。

実は、この権利を巡る議論をしています。
この権利を認めるか、認めないか。
あるいは法律で決めずに、曖昧にしておく方がいいのか。

不治かつ末期になった時に、自らの意思で延命措置を
拒否する権利が法的に認められるのかどうか。
これが先週の木曜日に議論されたテーマでした。

多くの方が「そんな権利は認めない」というご意見でした。
私は「認めるべきだ。というより終末期における患者さんの
意思を尊重した医療をすでにやっている」と発言しました。

私が背負っているものは、医師会ではありません。
12.5万人の患者会、市民の総意です。
その代表としてそのような発言をしました。

しかしなかなか理解してもらえませんでした。
誤解されているところもあるのでしょう。
いくつか議論の余地もありそうです。

  • 「終末期」の定義について。
  • 「終末期」の判定について。
  • 意思が揺れ動く時にどう対応するか。

今後、議論の対象はこの3点に移るかもしれません。
しかし、そもそも、終末期において患者さんの意思
を尊重する法律は、不要でしょうか?

無い結果このような現実になったのではありませんか?
阿吽の呼吸の結果が、今の病院医療ではありませんか?
医師が逮捕されてきた歴史が医師を保身に向かわせている。

私は様々な医療現場で、日々、終末期の現実を見ています。
とても「尊厳ある生」とは思えない方を、沢山みかけます。
特にその方の元気な時の口癖を知っていた場合、複雑です。

「わしは、無用な延命措置はして欲しくない」と言っていた
方が、麻酔をかけられて管を一杯つけて生かされている。
どう考えても、その方が喜んでいるとは思えない。

いや、怒っているに違いない。
「長尾先生、見てるだけじゃなく、何とか言ってよ!」
そうした声が聞こえてくるような気がする時もあります。

私のモチベーションは、すべてその患者さんにあります。
そして自分もいつかはその患者さんになるかもしれない。
そうした想いから、患者さんの権利を考える一市民です。

大切な議論ですので引き続き、読者の皆様の
率直なご意見を書き込んで頂ければ幸いです。
是非、是非、よろしくお願いいたします!!