《0712》 では、医師の免責法は? [未分類]

多くの医師は、ビビっています。
患者さんから訴えられないかと?
これは多くの医師の本音ではないか。

いくら綺麗ごとを言っても心の底では
訴えられないことが優先するのが現実。
訴訟回避が医療界の大きなテーマです。

というのも医療訴訟はとても身近です。
私は訴えられたことがありませんが、
訴えられた医師は沢山知っています。

訴えられたら仕事になりません。
逮捕されたら牢屋に入ります。
失敗したら牢屋覚悟という仕事です。

終末期は特にトラブルが起こり易い時期です。
「生」と「死」の狭間では複雑な感情が交差します。
日本ではとかく「死」は誰かのせいにされがちです。

「誰か」となると、医療者しかいません。
すなわち、不可抗力であっても訴えられるのです。
訴えられるとたとえ無罪になっても傷が残ります。

終末期の延命措置には、そのような側面もあります。
患者さんがNOと意思表示していても、
家族が同意していても安心できません。

後で気が変わって訴えることがあるからです。
人間の気持ちは揺れ動いています。
精神医学的に言う「転化」という現象でしょうか。

このように終末期において患者さんが延命処置を希望せず
家族もそれに同意した場合でも、医師は素直に信じにくい。
過去の歴史が、医師の大きなトラウマになっています。

従って、患者さんの意志を尊重して行動した場合、
その行動を担保するものがあれば医師は安心します。
現状のままでは、安心できない医師が多いのです。

患者さんの意志を尊重した場合に医師が免責される法律。
そんなものは必要ない、と言う患者さんが多いでしょう。

しかしそんな法律が無いから作りたくもない胃瘻を
作らざるを得ない医者がたくさんいるのが現実です。
その結果が、全国40万人の胃瘻患者さんなのです。

梨木さまがご指摘なされたように、どう生きるか、
などの話合いが重要です。
文書よりプロセス。

しかし、その結果、訴えられているのも現実です。
病院の医師には免責法がないと、平穏死は難しい。
何故、難しいか、さらに掘り下げてみましょう。