《0729》 ゴミ屋敷の開拓 [未分類]

在宅医療をしていると、いろんなお家に伺います。

小さいけれど綺麗なお家、大きいけれど汚いお家。

人生いろいろ、お家いろいろ、です。

 

さて、時々、いわゆるゴミ屋敷があります。

様々なゴミが堆積層のように重なっています。

そこに、犬や猫の糞や尿も重なっている・・・

 

「入れない家」が、存在します。

というか、近づくことも出来ないのです。

強烈な「匂い」が一番辛いのです。

 

ケアマネさんと秘策を練ることをお願いし、

ヘルパーさんに頑張ってもらいます。

ハッキリ言って、とても難作業です。

 

それを、「開拓」と呼びます。

開拓をして初めて私たちが入れます。

開拓をしないと家に入れないのです。

 

本人をショートステイに行かせる場合があります。

動物は、動物病院に入院させることもあります。

思い切って引っ越してもらい、一から始める時も。

 

あれこれ知恵を練った上で「開拓」をするのです。

様々な小動物がそこには生息しています。

いろんな病気に感染する可能性が、あるからです。

 

ある一定の割合で「ゴミ屋敷」が必ず存在します。

在宅医療や介護の前に、まず環境整備が必須です。

だからヘルパーやケアマネに、頭が上がりません。

 

「ゴミ屋敷」は一夜にして出来るわけではありません。

知らない間に気がつけばそうなってしまうのでしょう。

堆積層の中から、30年前の新聞が出てきたりします。

 

なかなか物を捨てられないひとは、要注意です。

「モッタイナイ」も程々にしないと困ったことに。

過ぎたるはなんとか、という格言の通りです。

 

あと、一人暮らしのひとが圧倒的に多いです。

誰からも注意されないうちに自然にそうなる。

自覚症状が無いのが、最大の特徴です。

 

病院では「開拓」はありません。

在宅にしか無い難作業です。

あまり言ってはいけないかもしれませんが現実です。