在宅医療をしていると、いろんなお家に伺います。
小さいけれど綺麗なお家、大きいけれど汚いお家。
人生いろいろ、お家いろいろ、です。
さて、時々、いわゆるゴミ屋敷があります。
様々なゴミが堆積層のように重なっています。
そこに、犬や猫の糞や尿も重なっている・・・
「入れない家」が、存在します。
というか、近づくことも出来ないのです。
強烈な「匂い」が一番辛いのです。
ケアマネさんと秘策を練ることをお願いし、
ヘルパーさんに頑張ってもらいます。
ハッキリ言って、とても難作業です。
それを、「開拓」と呼びます。
開拓をして初めて私たちが入れます。
開拓をしないと家に入れないのです。
本人をショートステイに行かせる場合があります。
動物は、動物病院に入院させることもあります。
思い切って引っ越してもらい、一から始める時も。
あれこれ知恵を練った上で「開拓」をするのです。
様々な小動物がそこには生息しています。
いろんな病気に感染する可能性が、あるからです。
ある一定の割合で「ゴミ屋敷」が必ず存在します。
在宅医療や介護の前に、まず環境整備が必須です。
だからヘルパーやケアマネに、頭が上がりません。
「ゴミ屋敷」は一夜にして出来るわけではありません。
知らない間に気がつけばそうなってしまうのでしょう。
堆積層の中から、30年前の新聞が出てきたりします。
なかなか物を捨てられないひとは、要注意です。
「モッタイナイ」も程々にしないと困ったことに。
過ぎたるはなんとか、という格言の通りです。
あと、一人暮らしのひとが圧倒的に多いです。
誰からも注意されないうちに自然にそうなる。
自覚症状が無いのが、最大の特徴です。
病院では「開拓」はありません。
在宅にしか無い難作業です。
あまり言ってはいけないかもしれませんが現実です。