《0073》 「トクホ」って本当に効くの? [未分類]

最近、患者さんに「トクホ」について訊かれることが多くなりました。
「トクホ」とは、「特定保健用食品」のこと。
国が特定の食品に「健康への効用を示す表現」を許可したものです。

これまでの食品には、「エネルギー○Kcal」とか「炭水化物○㎎」
などの栄養表しか認められていませんでした。
しかし「トクホ」では、「血圧の高めの方に適した食品です」など、
具体的な「保健の効果」の表示が認められるようになりました。

「トクホ」の審査は大変厳しく、身体によいメカニズムを、多くの
実証実験によって検証しなくてはなりません。
だから「トクホ」のお墨付きをもらった健康食品は、五つ星印食品
と言えます。

「トクホ」は、平成3年にスタートした世界で初めての画期的な制度で、
世界中から注目されています。
現在、500以上もの商品があるそうです。

実は当院でもこれまで、二つの「トクホ」の臨床治験に関わってきました。
二つとも名前を言えば、誰でも知っている「トクホ」です。

患者さんを募り、承諾を取って、くじ引きでA群とB群に分けます。
A群は本物、B群はプラセボ(偽物)の健康食品を摂るのですが、摂って
いるものが本物か偽物かは、最後まで患者さんはもちろん、医者にも
分からないような仕組みになっています。
これを「ダブルブラインド試験」といいます。

毎日この「トクホ」を摂ってもらい、1カ月ごとに詳しいデータを取っていきます。
第3者として治験サポートの専門家も入ります。
こうして、3カ月後に、本物か偽物かが、「キーオープン」により明らかにされ、
統計学的に有用性が検証されます。
いざ、結果発表の時は、なんだか胸がドキドキしました。

私が関わった二つの健康食品は、統計学的にハッキリと偽物より効果が
認められ、「有用」と判断されました。
これにより「トクホ」のお墨付きが、より強化されました。
私を含め、関係者や専門家も驚くくらいの効果が確認されました。
重要な検査項目にも明確な差が出ており、論文は外国雑誌にも載りました。

「これは食品ではなくて、お薬ではないのか?」と、思いました。
正確に言うと、既存の「お薬」より、臨床効果が上のようでした。
しかしこの商品は、販売戦略もあってか「トクホ」として市販されています。

というわけで、「トクホ」は信頼性が高い健康食品だと思います。
私は、自分が関わったこの「トクホ」を毎日体に摂っています。
もちろん、コンビニで買ってです。