《0730》 行列のできる診療所 [未分類]

17年前、尼崎で開業した当時は閑古鳥状態でした。

1日中患者さんが一人も来られない日もありました。

やっと来られた患者さんとは1時間話し込みました。

 

患者さんが来られないという現実は本当に辛いです。

やることが無いことほど辛いストレスはありません。

業者さんとお喋りするか、昼寝をするくらいでした。

 

しかし地道に頑張っていると徐々に徐々に

ですが、患者さんが増えてきました。

患者さんはジーと、私を観察していたのです。

 

開業3年目のある朝、いつものようにシャッターを

上げようと、商店街を歩き、近づきました。

すると、なんと2人も患者さんが待っていました。

 

そう、開店前にはじめて、行列が出来ていたのです。

たった2人ですが、我が人生にとって初めての行列。

嬉しかったあの瞬間を、今も忘れません。

 

その2人の患者さんは注射の順番を競っていたのです。

どこの世界でも、1番を好む方がおられます。

おそらく、そんな単純な理由で並んでいたのでしょう。

 

それまでどこの医院の前を通っても待っている人がいた。

これで自分もやっと人並みになれたんだ、と嬉しかった。

あの日以来、今日まで、行列は続いている、と思います。

 

思います、と書いたのはある時点から興味が無くなった。

正確に言うと行列のことを考える余裕が無くなりました。

行列が出来ている他の医院の前を通っても何も思わない。

 

さて行列のできる診療所は、腕がいい診療所でしょうか?

実は私自身この問いにちゃんと答えることが出来ません。

結論から言えば、人気と腕は全く別物だと思っています。

 

  また最近、都市部では完全予約制のクリニックが増えてきました。 

「患者さんに行列を作らせない」ことも大切なサービスでしょう。

当院は形ばかりの予約枠がありますが、基本、来たもの順です。

 

「混んでいないとなんだか心配」という患者さんもおられます。

逆にいつも混みあっている診療所を敬遠される方もおられます。

「行列」に関する患者さんの感性は、実にさまざまです。

 

 

行列といえば、リハビリの順番は、とても大切です。

番号が1番逆になるだけで、大きなトラブルになります。

喧嘩やクレームで、診療そのものができなくなります。

 

外来診察にも、受け付け時に通し番号を付けています。

これも1番ずれるだけで大騒ぎになることがあります。

何事も順番は大事です。

 

順番だけ取ってから、一旦外出される人もよくいます。

順番が過ぎて戻られた時にすぐに呼ばないと怒る人も。

一旦外出者には常に気を使います。

 

どうでもいいようだけど、どうでもよくないのが順番です。

行列ができるということは順番争いが起こり得ることです。

 

今日はどうでもいい話を書かせていただきました。

桜がほぼ散ってちょっと寂しい、4月の後半です。

 

まだインフルが流行っています。

全部B型です。しつこいですね。

肌寒いので、お気を付け下さい。