お薬には院内処方と院外処方があります。
開業して10年間は、院内処方でした。
しかしこの7年間は、院外処方です。
当初は医薬分業の流れに逆らって頑張りました。
事務員さんには、過大な負担をかけていました。
しかし院外処方にしたら本当に楽になりました。
医者が喜ぶということは、患者さんは泣くことに。
御承知のように院外処方の方が医療費は高くなる。
それでも医者が院外にしたがるのは何故でしょう。
ひとつの大きな理由は「ジェネリック誘導政策」です。
先発品とジェネリックの2種類を用意する必要がある。
それには何百種類もの薬剤を収納するスペースが要る。
当院のような「なんでも内科」には多種類の薬が必要。
それぞれにジェネリックを用意するのは至難の業です。
超高齢化とともに、お薬の種類も増える一方です。
当院には全部で10人位の医師がいますが、
医師の数が増えると処方薬剤数も増えます。
これも大変悲しいですが、現実です。
患者さんの便を考えても、
医療費全体のことを考えても、
院内処方の方が、メリット満載です。
そこに、ジェネリック誘導です。
もはや院内処方には戻りたくても戻れません。
今では昔の院内薬局が第4診察室になっています。
いや、4は縁起が悪いと患者さんに怒られたので、
「第5診察室」になっています。
遠い昔の幻のような、院内処方なのです。