《0737》 もう院内処方には戻れない [未分類]

お薬には院内処方と院外処方があります。

開業して10年間は、院内処方でした。

しかしこの7年間は、院外処方です。

 

当初は医薬分業の流れに逆らって頑張りました。

事務員さんには、過大な負担をかけていました。

しかし院外処方にしたら本当に楽になりました。

 

医者が喜ぶということは、患者さんは泣くことに。

御承知のように院外処方の方が医療費は高くなる。

それでも医者が院外にしたがるのは何故でしょう。

 

ひとつの大きな理由は「ジェネリック誘導政策」です。

先発品とジェネリックの2種類を用意する必要がある。

それには何百種類もの薬剤を収納するスペースが要る。

 

当院のような「なんでも内科」には多種類の薬が必要。

それぞれにジェネリックを用意するのは至難の業です。

超高齢化とともに、お薬の種類も増える一方です。

 

当院には全部で10人位の医師がいますが、

医師の数が増えると処方薬剤数も増えます。

これも大変悲しいですが、現実です。

 

患者さんの便を考えても、

医療費全体のことを考えても、

院内処方の方が、メリット満載です。

 

そこに、ジェネリック誘導です。

もはや院内処方には戻りたくても戻れません。

今では昔の院内薬局が第4診察室になっています。

 

いや、4は縁起が悪いと患者さんに怒られたので、

「第5診察室」になっています。

遠い昔の幻のような、院内処方なのです。