《0739》 お薬処方は患者さんとの協働作業 [未分類]

今日もお薬の話題について書きます。

むらさきの花さまの以下の書き込みについて。

>「薬漬けの人に変わって立腹しておきすよ」

 

お薬の処方はお医者さんの裁量とされています。

この裁量とは、医者が自由に処方していいという

意味ではない、と私は思っています。

 

「患者さんと相談して決める」行為への裁量であると

私は解釈しています。

決して医者が患者さんに押し付けるものではないと。

 

私は、処方する時に、必ず患者さんへ

なぜこの薬を出そうと思うのかを必ず説明します。

その上で、患者さんの承諾を得ます。

 

もちろん承諾されない時もいくらでもありますし、

現実には、部分承諾のケースが多いです。

お薬処方はあくまで患者さんとの協働作業なのです。

 

糖尿病があっても投薬を拒否する方がおられます。

しかし食事療法と運動療法はしっかり指導します。

それだけでは無理だろうと思っても薬を出さない。

 

いや、出さない、ではなく、出したくても出せない。

あくまで最終決定権は患者さん側にあると考えます。

それをよく説明し、医療を継続させる努力はします。

 

ですから「薬漬け」と患者さんに言われると非常に心外。

機嫌の悪い時は、この言葉に敏感に反応する場合もある。

私としては一応そのようなつもりで処方しているのです。

 

もちろん多剤投薬の方も少なからずおられるのが現実。

しかし、それはあくまで患者さんが望まれた結果です。

あるいは施設の職員にせがまれて、私が負けたのです。

 

減らそうとしても怒る患者さんが多いのです。

減らすと「ヤブ医者」と睨む施設の職員もいます。

お薬の種類に対する感性は実に様々だと感じます。

 

病院からは沢山の種類で、診療所に紹介されます。

信頼関係を築きながら、毎回少しずつ減らします。

その作業こそが町医者の醍醐味だと思える歳になりました。