今日もお薬の話題について書きます。
むらさきの花さまの以下の書き込みについて。
>「薬漬けの人に変わって立腹しておきすよ」
お薬の処方はお医者さんの裁量とされています。
この裁量とは、医者が自由に処方していいという
意味ではない、と私は思っています。
「患者さんと相談して決める」行為への裁量であると
私は解釈しています。
決して医者が患者さんに押し付けるものではないと。
私は、処方する時に、必ず患者さんへ
なぜこの薬を出そうと思うのかを必ず説明します。
その上で、患者さんの承諾を得ます。
もちろん承諾されない時もいくらでもありますし、
現実には、部分承諾のケースが多いです。
お薬処方はあくまで患者さんとの協働作業なのです。
糖尿病があっても投薬を拒否する方がおられます。
しかし食事療法と運動療法はしっかり指導します。
それだけでは無理だろうと思っても薬を出さない。
いや、出さない、ではなく、出したくても出せない。
あくまで最終決定権は患者さん側にあると考えます。
それをよく説明し、医療を継続させる努力はします。
ですから「薬漬け」と患者さんに言われると非常に心外。
機嫌の悪い時は、この言葉に敏感に反応する場合もある。
私としては一応そのようなつもりで処方しているのです。
もちろん多剤投薬の方も少なからずおられるのが現実。
しかし、それはあくまで患者さんが望まれた結果です。
あるいは施設の職員にせがまれて、私が負けたのです。
減らそうとしても怒る患者さんが多いのです。
減らすと「ヤブ医者」と睨む施設の職員もいます。
お薬の種類に対する感性は実に様々だと感じます。
病院からは沢山の種類で、診療所に紹介されます。
信頼関係を築きながら、毎回少しずつ減らします。
その作業こそが町医者の醍醐味だと思える歳になりました。