《0074》 統合医療って何でしょう? [未分類]

「統合医療」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?
多くの医師は「怪しげなもの」と思っているようです。
私自身は非常に興味があり、「日本統合医療学会」の
会員にもなっています。

「統合医療」とは、医学会が認めた「標準治療」ないし
「西洋医療」と、数ある「代替医療」、そして「伝統医療」を
上手く組み合わせる医療です。
さらに、遺伝子治療といった「先進治療」も組み合わせれば、
まさに理想形です。

「組み合わすだけならできるでしょう」と、思われるかも
しれませんが、現実は困難です。

「西洋医療」を行う医者と、「代替医療」や「伝統医療」を
行う医者とに、あまり交流がないのが実態ですから、
「統合」など夢のような話かもしれません。
医療の世界も、見事に縦割りなのです。

また、「代替医療」も数えきれないほどありますから、
「代替医療」同士を組み合わせる「統合」すら、
現実には困難かもしれません。

しかし、「いいとこ取りを認めよう」という理念こそが
「統合医療」だと思います。

当院には、例えばがん拠点病院で標準的抗がん剤治療と
並行して、温熱療法、漢方治療、そして免疫療法を受けて
いる患者さんがおられます。
私は、指揮者もしくはボクシングのセコンドのような役割を
演じています。

もちろん、先進医療には、先立つもの(お金)が必要ですから、
「がん保険の中の死亡保険」の生前給付(リビングニーズ)に
ついても紹介し、軍資金の調達方法をアドバイスしています。

「生命保険のアドバイスも在宅ホスピス医の大切な仕事である」
という、仙台往診クリニックの川島孝一郎先生の教えに従っています。

時にはファイナンシャルプランナーにもならないといけないのです。
もちろん、管理栄養士によるがん患者さんとしての食事管理や
入浴や睡眠、さらには、メンタルケアなどへのアドバイスも必須です。
音楽療法やアロマセラピーもいいでしょう。
ここまでするのが、「統合医療」だと勝手に思っています。

いいとこ取りをしたくてもできないのが、現代医療ですが、
それを本気でめざしているのが「統合医療」でしょう。
理念はいいのですが、現実は、まだまだこれからのようです。
しかし、国民のニーズは充分あると感じる日々です。