《0752》 「明日は抗がん剤治療に行きます」 [未分類]

がん拠点病院から確認の電話がかかってきたそうです。

もはや患者さんは歩けませんが、車椅子で通院すると。

外来抗がん剤治療に車椅子で通院する人が結構います。

 

「明日は抗がん剤治療に行きます」とのこと。

 

本当は、抗がん剤治療の条件は、全身状態が良いこと。

簡単に言えば自分の足で通院でき普通に食べれること。

もちろんこの患者さんはその基準から逸脱しています。

 

しかし、面と向かって「逸脱している」とは言いにくい。

まして、患者さんは抗がん剤で「治る」と信じています。

病院医師もさすがに言い辛くここまで来たるのでしょう。

 

一昨日の夜の「助けてコール」は一体なんだったのか?

まあ、我々は、たしかにその場の役に立ったんだし、

救急搬送が1つ助かったんだからそれでいいじゃん。

 

往診は往診。

在宅医療は在宅医療。

両者は全然別物だし。

 

第一、両者をちゃんと区別しなくちゃね。

在宅医療に移行する時は後で医療費のトラブルが起こるので

ちゃんと説明してからでないと、始めちゃいけないんだよ。

 

研修医君にそう説明しながら、やっぱりちょっと

どこか腑に落ちないものを感じていました。

 

「でも、抗がん剤治療って!?・・・」

 

思わず、研修医君に問い返していました。

(続く)