《0759》 末期がん患者さんのリハビリ [未分類]

緩和医療で患者さんはみる見る元気になりました。

呼吸も楽そうになり食事量が増え笑顔が出ました。

介護ベッドの上に長時間座れるようになりました。

 

そんな末期がん患者さんから想定外の質問が来ました。

 

「先生、リハビリをしなくてもいですか?」

 

思わず、研修医君に質問してみました。

 

「末期がんの患者さんのリハビリ希望、どうする?」

 

研修医君は素直に「分かりません」、と答えました。

もっともだと思います。

まだ議論のあるところで、定説には至っていません。

 

私は個人的見解を言いました。

「リハビリしたいという意欲は尊重すべきだ。

 前向きな心ががん医療にも生きて来るんだよ」

 

本当か嘘かは知りません。

しかし私のクリニックでは10年前から末期がん患者

さんへの訪問リハビリを積極的に行ってきました。

 

1ケ月寝込んだあと全身状態が回復してリハビリで

外出可能になった末期がん患者さんがおられました。

理学療法士が自宅を訪問してリハビリをするのです。

 

「ところで、研修医君。訪問リハビリは医療保険か?」

 

この質問も研修医にはちょっと難しかったようです。

 

訪問リハビリは要介護認定者は介護保険で行います。

これを介護保険優先の原則、と呼ぶそうです。

ただし介護認定の無い人は、医療保険で行います。

 

40歳未満の末期がんの患者さんにはそもそも

介護保険が無いので、医療保険で行います。

また介護保険非該当の方も医療保険になります。

 

亡くなる前日までリハビリを行っていた人もいました。

様々な形での末期がんへのリハビリが行われています。

リハビリをして、楽しむことが、「生きる」ことです。