《0076》 新生・国立がん研究センターに寄せる期待 [未分類]

国立がん研究センター(旧・国立がんセンター)が、生まれ変わりました。
これまで積極的でなかった、再発患者や合併症患者も受け入れるそうです。
さらに、「がん対話外来(仮称)」が今月から新設されます。

合併症などで、他のがん拠点病院での治療が受け入れられない
患者さんにも、「総合内科」の医師を充実させて、「がん再発難民」を
作らない、そうです。

さらに、「緩和医療」や「在宅医療」との連携も強化すると聞いています。
また、「臨床治験薬」も診療科別に公開し、患者さん自身が選べます。
さらに、「5年生存率」もすべて公開されます。
目標は、まさに100点満点です。
新たに理事長に就任された嘉山孝正先生が、本当に頑張っておられます。

現在、紹介状を持たない「がん再発難民」が、当院のような町医者に
沢山来られます。
がん拠点病院は、最初の手術と最初の抗がん剤治療には、興味がありますが、
再発した時点、あるいは終末期近くになると、興味を示さなくなる傾向があります。

「見捨てられた!」と感じた患者さんは、独自に代替医療などを
さまよってるのが現状です。
それならそれで、「早めに地域の緩和ケアや代替医療に熱心な
診療所などに紹介すべきではないか!」と、ずっと思っていました。

町医者として、在宅ホスピス医として、日々、その想いが強くなっています。
しかし、町医者の分際ではなかなかそんな大それたことは言いづらいものです。

今回、国立がん研究センターが変われば、「がん医療が確実に変わる」と思います。
できれば、「がん拠点病院」だけでなく、地域にある「がん拠点診療所」との
並診あるいは連携でがん医療は充実できる、というのが私の持論です。

蛇足ですが、がんセンターのある「築地」という地名は尼崎の「築地」に由来しています。
世阿弥作の謡曲「芦刈」の舞台が尼崎の「築地」ですから、ご縁を感じています。
尼崎の町医者として、また一国民としても、新生・がんセンターに大いに期待しています。