《0762》 腫瘍マーカーは正直 [未分類]

さて、かの肺がんの末期患者さんですが徐々に衰弱してきました。

一旦小康状態を保ったもののがんは確実に進行しているようです。

それは、血液中の腫瘍マーカーの値を見ればすぐに分かります。

 

腫瘍マーカーとは、がん細胞から血液中に放出される物質。

普通の採血ですぐに分かります。

 

大腸がんなら、CEA

膵臓癌なら、CA19-9

卵巣がんなら、CA125

肺がんなら、シフラ

前立腺がんなら、PSA・・・

 

様々ながんに特徴的な腫瘍マーカーがいくつか知られています。

しかし、全部を測るわけではありません。

当院ではせいぜい、上に書いた程度までしか測りません。

 

顔色や体つきを見てもがんが進行しているかどうかが

よく分からない場合が時々あります。

そのような場合、腫瘍マーカーの動向が大変役立ちます。

 

毎月、倍々と上昇してくるタイプは非常に進行性で要注意です。

一見変化が乏しくても残念ながら病気は確実に進行しています。

今後の病状の予測に腫瘍マーカーは有用です。

 

よく「がんがあるかどうか血液で調べてくれ」と言う人がいます。

腫瘍マーカーでがんの早期発見は普通は無理です。

ただしPSAだけは例外ですが。

 

腫瘍マーカーは、既にがんが確定した人に役立つものです。

在宅現場でも役に立ちます。

御家族に説明する時にも、説得力があります。

 

さて、その患者さんの腫瘍マーカーを毎月測っていますが、

順調に上昇していました。

残念ながら、余命はあまり長くないようです。

 

(続く)

 

PS)今日は大阪府八尾市で平穏死の講演をします。

http://www.nagaoclinic.or.jp/picture_library/seminer/20120519gengorou.pdf

お時間のある方は是非お越しください。