《0077》 がんは、最もありふれた病気 [未分類]

町医者と「がん」との関係は、決して遠いどころか、むしろとても深い関係です。
がんになった人は、嘆きます。
「なぜ私だけこんな病気になってしまったのか……」がん専門医は、言います。
「がんは特別な病気ですから……」

しかし、日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死ぬ時代です。
日本人の死亡原因の1位は、もちろん、がんです。

だから私は、
「がんは最もありふれた病気ですよ」
「あなたは、一番確率の高い病気になっただけですからそんなに慌てないで
くださいね」と言っています。
さらに助かるステージで見つかった人には、「おめでとう!」とも。

冷たい医者でしょうか?
しかし、本当のことではないでしょうか?
がんが、最もありふれた病気です。
それも10年~20年かかって、病気になっているのです。

国は、「がん対策基本法」まで作って、特に力を入れています。
やや見放なされた感がある「希少難病」とは、大違いです。
国立がん研究センターを中心とするがん拠点病院が整備され、がん専門医が
養成され、ネット上には、がん情報が氾濫しています。

まず、がんになっても慌てないことだと思います。
情報を集めて、国立がん研究センターのウェブサイトをよく覗き、かかりつけ医にも
腹を割って相談することだと思います。

医者の間には、いろんなネットワークがあります。
また、「セカンドオピニオン」や「「よろず相談」に積極的な医療機関も増えています。
どうか、慌てずに、じっくり、がんに対峙していただければと思います。

また中年以降は、「いつ、がんになってもおかしくない」という、心構えを持って毎日
生活することだと思います。

こうして偉そうに説教を垂れている医者自身が本当にがんになった時が、一番厄介
だという説もありますが……(笑)。