「在宅で亡くなられた方のお顔は綺麗ですね!」
研修医君が、しみじみ呟きました。
たしかに綺麗です。
週に1~2回は亡くなった方のお顔を見ているので
もう慣れましたがそう言われればみなさん綺麗です。
それは、病院時代の「死に顔」と比べての話です。
顔だけでなく、実は体も綺麗です。
何で亡くなったのだろうと思うくらい綺麗。
ちょとカサカサしていますが。
「どうしてこんな違いがあるか分かるかい?」
研修医君に質問してみましたが、
首をかしげていました。
これが分かる位なら、当院に研修に来る必要は無い。
それが、ヒントになるかな?
そう、からかって、10分ほど待ちました。
「人工栄養の差ですか?」
「ピンポン!よく分かったね」
実は終末期に人工栄養をするかしないかの差です。
人工栄養をした患者さんは全身が浮腫んでいます。
お顔もかなり膨らんで見えます。
あと、体重が全然違います。
病院で亡くなった方は、重い!
一方、在宅は軽い。
これは水分量の差です。
大昔、ストレッチャーに移す時に、手伝いましたが、
ずいぶんと重かったことをはっきりと覚えています。。
研修医君にわざわざ在宅研修に来て頂いてよかったです。
在宅看取りの患者さんのお顔をしっかり見て頂てました。
この綺麗なお顔から、何かを学んで帰って欲しい。
10年後には彼は指導医として研修医を教えています。
その時に、終末期医療が少しでも変わっていて欲しい。
そう願いながら、1週間の地域研修が終わりました。