昔、吉田拓郎の歌に「祭りのあと」という曲がありました。
まあこれが分かるという人は、現在50歳以上でしょうが。
「祭りのあとの寂しさは・・・」で始まる曲です。
実は「看取りのあと」も、寂しいものです。
家族も寂しいが、我々も寂しい。
看護師もケアマネもヘルパーもみんな寂しい。
あとかたづけほど、寂しいものはありません。
ベッドを解体し、医療資材を引き上げる。
そこにあったはずの麻薬も廃棄処分してもらう。
さらに、要らなくなったさまざまな物品も引き上げます。
昨日まで命綱だった在宅酸素が無用の長物になり下がる。
何か腑に落ちないものを感じながら、前に進むしかない。
研修君には、そこまで知っておいてくれとは言いません。
ただ、病院では亡くなればそれで終わりです。
寝台車に載せてお見送りした瞬間に全てが終わる。
しかし我々はちょっと違います。
1~2日、ご遺体をそのまま自宅に置いてあることも多い。
実は亡くなってからも、何度も訪問することもあります。
介護者が倒れそうではないか。
亡くなった方が寂しくはないか?
亡くなったあとも出来ることはないか・・・
未練がましいと笑われるかもしれません。
しかしそういう世界で生きています。
亡くなってからが、新しいご縁の始まりだと感じます。
実は昨夜は、3年前に旅立たれたある若者の命日でした。
彼の命日を記念して同級生たちがダンスイベントを企画。
ダンスを愛する子供たちには素晴らしい1日でした・・・
と、ここまで書いている最中の今、
彼のお母上から電話がありました。
心臓が止まるくらいビックリです。
ご縁とは凄い。
本当の話です。
格好悪いので研修医君には話せませんが・・・