《0784》 看取りのあとの寂しさは・・・ [未分類]

昔、吉田拓郎の歌に「祭りのあと」という曲がありました。

まあこれが分かるという人は、現在50歳以上でしょうが。

「祭りのあとの寂しさは・・・」で始まる曲です。

 

実は「看取りのあと」も、寂しいものです。

家族も寂しいが、我々も寂しい。

看護師もケアマネもヘルパーもみんな寂しい。

 

あとかたづけほど、寂しいものはありません。

ベッドを解体し、医療資材を引き上げる。

そこにあったはずの麻薬も廃棄処分してもらう。

 

さらに、要らなくなったさまざまな物品も引き上げます。

昨日まで命綱だった在宅酸素が無用の長物になり下がる。

何か腑に落ちないものを感じながら、前に進むしかない。

 

研修君には、そこまで知っておいてくれとは言いません。

ただ、病院では亡くなればそれで終わりです。

寝台車に載せてお見送りした瞬間に全てが終わる。

 

しかし我々はちょっと違います。

1~2日、ご遺体をそのまま自宅に置いてあることも多い。

実は亡くなってからも、何度も訪問することもあります。

 

介護者が倒れそうではないか。

亡くなった方が寂しくはないか?

亡くなったあとも出来ることはないか・・・

 

未練がましいと笑われるかもしれません。

しかしそういう世界で生きています。

亡くなってからが、新しいご縁の始まりだと感じます。

 

実は昨夜は、3年前に旅立たれたある若者の命日でした。

彼の命日を記念して同級生たちがダンスイベントを企画。

ダンスを愛する子供たちには素晴らしい1日でした・・・

 

と、ここまで書いている最中の今、

彼のお母上から電話がありました。

心臓が止まるくらいビックリです。

 

ご縁とは凄い。

本当の話です。

格好悪いので研修医君には話せませんが・・・