《0792》 どの国も終末期医療で悩んでいる [未分類]

死の権利・世界連合総会の最終日、パーティーに参加した。
世界中から、実にいろんな人々が100人以上集まった。
年配の方だけかと思いきや、結構若い人もいた。

今回の世界大会の副大会長は、まだ44歳。
私よりずっと若いひとたちも参加していた。
陰気な会かと思いきや、とびきり明るい人ばかり。

同じテーブルになったオランダ人医師と話をした。
オランダは尊厳死はもちろん、安楽死まで認められている国。
どういう経緯でそうなったのか、お話を伺った。

かつては、オランダも終末期医療で悩んでいた。
しかし医師と弁護士、そして国会議員が力を合わせたと。
もちろん、医師会の中でも様々な議論があったそうだ。

しかし医師と弁護士がひとつになり、協力したそうだ。
これを聞き、ちょっと日本とは違うような気がした。
日本では、医者はいつも弁護士さんに苛められている。

弁護士と聞いただけで、震え上がるお医者さんが多い。
しかしオランダでは、医師と弁護士が協力したそうだ。
なるほどそうでもなければあんな法律など無理だろう。

彼の口から Palliative sedation という言葉を聞いた。
緩和的鎮静とでも訳すのだろうか。
予後が1~2週間と判断された時に行うそうだ。

日本では、死期を早めないことになっている。
一方、オランダでは、死期を早めてもいいことになっている。
まあ、同じかもしれないが、両国で建前は全く違う。

それはオランダの尊厳死なのだが、日本では安楽死だ。
昔聞いた時は、使用薬はモルヒネだったが、
現在はドルミカムという鎮静剤を使うそうだ。

安楽死まで認められている国であるオランダの医師が
なぜ、こんなところに来るのかも聞いてみた。
オランダ・システムをもっと広く知ってもらいたいと。

彼は図を書いて、尊厳死と安楽死の違いを説明してくれた。
オランダ人医師に直接説明してもらい、よく理解できた。
逆に彼に日本の現状を説明したら、よく理解してくれた。

おっかなビックリの世界大会だったが、実に楽しかった。
どの国も終末期医療で悩んでいることが、良く分かった。
世界事情を知ることは大いに今後の活動の参考になった。