《0803》 アーミッシュの「赦し」とは [未分類]

柳原三佳さんが書かれた「巻子の言霊」という本を

毎日、繰り返し読んでいます。

この本にはいくつものテーマが散りばめれています。

 

今日は、特に印象に残ったくだりをご紹介します。

「アーミッシュの赦しーなぜ彼らがすぐに犯人と

その家族を許したのかー」という本があるそうです。

 

「アーミッシュ」とは、16世紀から現在まで続く

プロテスタントの一派。

コミュニテイ独特の約束事を守り続けているそうです。

 

・自動車を所有してはいけない

・電話を持たない

・電気を使わない

・化粧をしてはいけない

・離婚をしてはいけない

・派手な服を着てはいけない

 

巻子さんの事故の3ケ月後の2006年10月にアメリカ

ペンシルバニア州ランカスター郡のある小学校で、

凄惨な事件が起きました。

 

32歳の男性が学校に乱入して銃を乱射。

5人の女子児童が死亡し、5人が重傷を負いました。

無抵抗の子供たちが一瞬にして犠牲になった事件でした。

 

犯人はその直後、自らに拳銃を撃ち、命を絶ちました。

 

その直後、世界中を驚かせたことがおこりました。

殺された子供たちの遺族らが事件後すぐにこの凶悪な

犯人を赦し、逆に犯人の家族に優しく接したそうです。

 

「子供の遺族が、犯人の男にお墓に行ってお悔やみを言った」

「犯人の遺族の家に、花や食事を届けに行った」

そのような「思いやりの行動」をとったそうです。

 

アーミッシュには、「ゲラッセンハイト(従順、服従)」という

精神が流れてます。

 

「神が下さる一切のもの、愛する者の不慮の死や、長患い、干ばつ、

洪水、酷暑、酷寒、農作物の不作や売れ行きの不調、家畜の病気、

あられ、火事などを従順に受け入れること。

私たちは雨乞いをしません。雨が降るまで待ち、降ったら神に感謝」

(同書より抜粋)

 

アーミッシュの牧師は、被害者の子供の葬儀のとき、集まった

人たちにこう説教したそうです。

 

「問うのはやめなさい。

 あの出来事がなぜ起こったのか、完璧な答えは

 決して得られないのですから」

 

 

偶然にも、巻子さんのベッドのすぐ脇にはアーミッシュの人形が

飾られているそうです。

松尾さんご夫婦がランカスターを旅した時、記念に買ったそうです。

 

アーミッシュ特有の衣装を着た男の子と女の子の人形。

巻尾さんはこの人形をとても気に入っていたので

病室に持ち込んだそうです。癒されているそうです。

 

時の流れは、犯罪被害者の憤りを薄めてくれるでしょうか?

現実は逆でしょう。

私の経験では、時の流れともにむしろ増幅されます。

 

「過ちは人の常、赦すは神の業」という言葉があるそうです。

イギリスの詩人、アレクサンダー・ホープが残した言葉です。

「赦し」とは、本当にすごいことだと思います。

 

私など毎日、怒ってばかり。

アーミッシュの爪の垢でも飲まないといけないですね。

アーミッシュの思想は病気になりにくい、とも思いました。

 

常人には及びもしない行動を取る人たちが現実にこの世にいる

ことが私には新鮮な驚きでした。

柳原さんの本は、アーミッシュの存在も教えていただきました。